こんなヤン・イクチュンなんて、初めてだなぁ…
自然豊かな済州島で生まれ育ったテッキは、ここ数年スランプだ。稼げない彼を支える妻ニスンが、妊活を始めた事から
テッキの人生に波が立ち始める。乏精子症と診断され、詩も浮かばず思い悩む彼を救ったのは、港に開店したドーナッツ屋で働く青年セユンだった。
彼の呟きが詩となり、新しい詩の世界への扉を開いてくれたのだ。
もっと彼を知りたいー初めて芽生えた感情を隠しながら、テッキは孤独を抱えるセユンと心を通わせていく…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
とても"息もできない"のヤン・イクチュンと同一人物とは思えない、稼ぎもなく妻に生活を頼るダメダメ夫っプリが印象的なヤン・イクチュン。
詩を書けば同人会で酷評され、家では妻の稼ぎで生活を送り、妊活に積極的になった妻に、子供を作る事は嫌なのに、その引け目から、断れないテッキ。
そんな事に頭を抱えながら悩む彼を救ってくれたのは、妻が買ってきたドーナッツだった!?
甘い物に目がなかったテッキは無くなれば買いに走るほどドーナッツに嵌まる
そう最初は…
セユンと初めて話したのはセユンが友人たちと一緒に飲みにいった帰りだった。
貧しくお金のないセユンはカラオケに行く仲間たちと別れ、家に帰るが普段から仲の悪い母親とケンカをし、寒い中ベンチに寝転がっているところを心配したテッキが話しかけた事が最初だった。
テッキはセユンに何か引っかかるものがあったものの、そう意識するものではなかった。
テッキがドーナッツ屋で詩を書きながら眠ってしまった時に、たまたまセユンが若い女の子とキスをしているところを見てしまう。
そして、自分の気持ちに気づいてしまう
セユンを好きになっていることを…
テッキはそんな気持ちを押し隠しながら
セユンの為に、食べ物を差し入れたり、お金をあげたりと世話をする
そんな行為をセユンは最初は嫌がっていたものの…
そんなしながら、心を通わせていく
テッキはちょっとでも生活費を入れる為に、小学校で作文の指導をする事に
そんな中自分の詩を誉められた生徒から
"どうすれば、詩人になれますか?"と聞かれる。
それに対してテッキは
"詩人は代わりに泣いてあげる人だ
悲しみを抱えきれない人のために"と
答える。
この何気ない言葉が、ラストに大きな意味を持ってくるとは分からなかったな…
作品を観た後、予告編を観たんだけど
そこで流れた言葉に心を打たれました
"詩人の涙は誰がぬぐうのか?"
たしかにテッキの気持ちは誰が救ってくれるのだろう?
そう考えると泣けてきました…
静かな作品だけど、心に響くいい作品かなぁ…