140字プロレス鶴見辰吾ジラ

犯罪都市の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

犯罪都市(2017年製作の映画)
3.8
確かな存在の勝利宣言ことマ・ドンソクが映っているだけでインスタ映えする楽しさと、韓国映画らしい気の抜けたコメディから度を越したバイオレンスが路地裏の純然たる汚さを輝かせる。とにかく暴力の緊急感と賑やかなモーメントをマ・ドンソクの毒にも薬にもなるキャラクター性が際立たせている。感じたのは松本人志の目指す笑いは、韓国のバイオレンスのリミッターを外す反倫理性と身近に潜む笑いの種の発芽なのではないか?ということだ。韓国映画のバイオレンスにカーチェイスにおけるお洒落なカットは相変わらず惜しみない。「七人の侍」「荒野の七人」のエキスを垂らしたような後半にかけての街ぐるみの正義の躍動と一騎討ちの野獣的な美学とやはりフワッと浮くような笑いの挿入は、映画を見た楽しさの意義に他ならない。