あまのかぐや

娼年のあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

娼年(2018年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

まったくノーマークな作品でしたが、深夜のWOWOWで見始めたら止まらなくなってしまいました。

なんか、ものすごい怪作を見た気がする…そういう理解でよろしいでしょうか。不思議な映画だった。感想書くのも難しいよ。

大学生・リョウ(松坂桃李)の成長の物語。

前半の15分ぐらい「パッション」入団テストのあたりから、いやなんかずっとこの人、何かと戦ってない?って気がした。格闘技的ななにか。(「応援上映」があったと聞いてなるほど思った)

音楽も、場面場面のたびに出る地名のテロップもなんか古臭くて失笑した。

微妙にきれいじゃない、微妙に年齢いった女優さんたちを相手に据えた意味とか、ほんとはもっと撮り方次第ではきれいに撮れるであろうリョウも微妙に肌の汚さや体型の情けなさが目立つ。

この桃李くんみて「かっこいい」とか「イケメン」とか思わないよね?(だいたいわたしは目に髪がかかったような男はダメ…)
この映画は、はて ターゲットはどこなんだろうか、とずーっと考えてしまった。桃李くんのファン向け?男性目線でも女性目線でも、エロさという点では引き込まれない気がする。

まず女性の体をあんなふうに扱ったらイカンよ。同僚・アズマくんの骨折シーンよりも「あいたたたたた」なシーンが多数みられ、「北斗の拳」かと思いました、女性向けなら、ああいう場面はもっと見せようがあるんじゃないかな、と思うの(だから男性向け?って思ったの)

コンドーム使用を執拗に見せてるなら、そのあたりもソフトに丁寧にやってほしかった。いや、これってハナから世に氾濫するAV的エロを見せる気がないのかな、と。それならばコンドームの件もわかる。

でも全体的に俳優の体の見せ方。どこか「見せるためではない体」を、陰影とか、すごく暗い中で「色」として見せたり。また全体モロ見せじゃないところなどにこだわりが感じられたな、と思う。

桃李の頑張りにも、対抗する女優たちの数々の頑張りにも(あとまさかの大御所、西岡徳馬さん、江波杏子さん)の演技にも心から拍手を送りたい、本物の俳優や(スコアはそのあたりの加点あり)

けど、なにより、これ劇場鑑賞した方も…すごい。尊敬しちゃうわ。

ラスト「パッション摘発」以降の展開で、はからずもグっときてしまった。
リョウが出会ってきたキワモノな人々の姿はなく、会った部屋とか呼ばれた場所だけがある。「あー」って感じ(語彙力)
最初から「セックスがおもしろくない」といってたリョウが、成長というか「やりがい」や「生」を感じるようになったのは、セックスそのものより「その場」を舞台にしてあからさまに見せた数々の「人間」に触れたからなのかなぁ、って。

そう思うと、最初は「だっさ!」って見えた地名のテロップも、そんな意味を帯びてくる気がする。

でも正直、江波杏子さんの、二回目はいらなかったかなぁ。一回目のお誕生日で「うーむ奥が深い…」と思っただけに、あれで終わらせてほしかった。

うちのテレビでの鑑賞でしたが、セリフがほぼ聞きとれない。
そのわりに音やらセリフ以外のあえぎ声(女性だけじゃなくてリョウもがんがん声出しててすごい)は、これでもかとばかり際立っていて。でも肝心なセリフ部分が、きっとリョウもパッションのママも大事なこと言ってるんだろうけど、聞き取れない。字幕が欲しい!
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