このレビューはネタバレを含みます
あなたの100エーカーの森はどこですか?
そんな話を観たあとにオットと話しました。誰でも心にあるはずの100エーカーの森、あったことさえも忘れてるかもしれないけど、黄色いクマさんや跳ねるトラさんはいなかったかもしれないけどね。
よるごはんのにおいがするマンションの庭、小学校の通学路、今はなくなっちゃったけど小さい公園。
この映画を観なかったら「そんな場所」のことなんか思い出す機会、なかったかもしれない。
ぬいぐるみが動いたりしゃべったりする子供向けファンタジーではなく、よい年をした大人に向けたファンタジーでした。忙しくしてる足を止めて、100エーカーの森で「なにもしない」をしてた頃を振り返ってみようよ、ってね。
戦争に行って帰って、働いて働いて、疲れて、そんなクリストファーロビン見る日が来るなんて。
ユアンがはまり役。おっさんの悲哀と少年の瞳を、違和感なく見せる器用さ
ぬいぐるみのプーたちのやり取りもよかったな。これユアンの一人芝居かと思って観たら、すごくないですか?
プーと、大人になったクリストファーロビンの後ろ姿のシルエットは、絵本そのもののようでした。
ラストは「なにもしない」が結局、クリストファー・ロビン氏の現実での再起に繋がったのはできすぎな気もするけど、でも、それはこのお話の良心と受け止めよう。
この先、別の映画のネタバレ書いちゃいますが、ビョン兄の「エターナル」を観たあとだったから、仕事に疲れ、家庭でも疲れ、いろいろ追い詰められた主人公の姿に、途中で「もしや、クリストファー、あなたも」なんて不穏なことを考えてしまったもので(ちょうぜつネタバレすみません)
ここのところ「おとうさん、ツラい…がんばれ世の中のおとうさん」って映画ばかりに触れているような気がするよ。がんばれ、まじで。
クリストファー・ロビンの奥さんが、ペギー・カーターでしたね。
だんなさんのかわりにバリバリ働いてくれそう、ちょっとこわいけど。