『パウロ 愛と赦しの物語』2018年
米国の伝記映画。
お話は、
紀元67年、ローマの街を大火事が襲った。
皇帝ネロはキリスト教徒による放火とし、首謀者はタルソのサウロ(別の名をパウロをジェームズ・フォークナーが演じてます)として彼を逮捕した。牢獄に入れられたパウロのもとを仲間である医者ルカが訪ねる。
ルカ(ジム・カヴィーゼル)はパウロの言葉を人々に伝えるために書き記していく。
ネロの迫害は激しさを増す一方だったが、パウロはアキラとプリスカの夫婦にかくまわれているキリスト教徒たちに、暴力ではなく愛をもって戦うことを伝える。
だが血気にはやった彼らは剣を取ってローマ軍に立ち向かおうとする。
使徒となる前のパウロは、キリスト教徒たちを迫害する側の人間だった。
回心前の自分が殺めた人々の夢を見て、うなされるパウロ。
彼はなぜキリストの弟子になったのか？
一方、パウロを迫害する獄舎の長官マウリティウスの娘が瀕死の病となり、頼みの綱はルカだけだったが・・・。捕らえられ、殉教していった弟子たちに続き、パウロにも運命の時が迫る。弟子テモテに最期の手紙を書くパウロの心境は？
そして娘の運命は？

オフィシャルサイトより抜粋加筆。

ルカ役のジム・カヴィーゼルって『パーソン・オブ・インタレスト』ジョン・リースやないかぁ🎵😍🎵
キリストを描いた『パッション』じゃイエス役やったし、ちょい複雑かな😞
プチ情報
ジム・カヴィーゼルと奥さん共に敬虔なカソリック教徒で、
結婚後、二人には実子はいなくて3人の養子がいるそうっす。
そのうちの一人は引き取る前に脳腫瘍が見つかった、
しかし、これも神の導きと捉え二人はその子を引き取ったのだそうです。
その前に養子にした子供さんも、実は脳腫瘍の手術をした経験がある子供だったようなんですが、生活に余裕あってもなかなか出来ひんことやなぁ。今作品にしても映画『パッション』にしても真摯に役に取り組む熱情が伝わったし、ええ役者やなぁと思ったなぁ沁沁。
また、私的ながらとても考えさせられる映画でした。
小生は他のために命を投げ出したり、己を苛める色んな事柄を赦せるかな。。。
ただ、現在、色んな苦しみの渦中にある人に平安が訪れる事を願っています。
※小生はキリスト教徒でないので思い違いや、間違いはあるやもしれませんが、また、長々となりそうですので『赦し』の心でよろしくお願いいたします☺️
長いのは勘弁してくれ！と云うかたthroughを😀🎐
この作品は、キリスト教の中核的教義とも云える『罪の赦し』がテーマやけど、
『罪の赦し』は、今やキリスト教内外から様々な批判に曝されている事を踏まえこの作品はそんな人たちに伝えたい思いがあったんやと思う。
救済宗教やと云われるキリスト教は、贖罪としての救済てのは概ねその中心的なメッセージであり続けてきたやろ。
時間や場所、そして、信仰共同体ごとに主張の強い弱いは違うやろけど、二千年近いキリスト教の歴史において、『罪の赦し』は一貫して主張されてきた信仰の内容やった。
ほんで、それってのはキリスト教伝道において大きな役割を果たしてきたと同時に、キリスト教にある種の特徴を与えてきょったんやろな。
パウロはアウトサイダー(異邦人)への伝道を推し進める時に、ユダヤ教の伝統的な考え基本的には『罪』をそのまま踏襲した。
パウロの罪の概念はめちゃ複雑やし、それをアウトサイダーへの伝道に使ったこと、ローマ書でも主要なモンとして使たことは、その後のキリスト教史にドでかい影響を与えた。
つまりキリスト教は、道徳的・倫理的な性格をユダヤ教からそのまま継承、保持したと云える。
パウロが『罪』を述べる時、当然、素の人間の姿を前提にしているかな。
パウロの伝えた教えてのは、熱狂でもないし、哲学的でもない、はたまた厭世的でもない。
道徳的で、日常的やった。
キリスト教がローマ帝国内で徐々に信徒を増やしていった大きな理由のひとつは、キリスト信徒の道徳的な行動がアウトサイダー（非ユダヤ人）の間で信頼を得ていった、ちゅうことかな。
そないな決定的な影響を与えたんが、ユダヤ教から受け継いだ倫理的な行動規範に重きを置くことにあったんかな。
『罪』と『赦し』てのをキリストの救済と直結させた原始キリスト教の信仰の内容てのは、律法を持たへんアウトサイダーにも罪の概念を違和感なく持ち込むことに成功して、キリストの再臨ちゅう終末観を持ちつつ～の、日常的な倫理性を常に指示しながら～の、異邦世界に伝播していくことになった。
その後のキリスト教史においても、時や場所によってこれってのはなかったとしても、贖罪論は中心的な思想であり続けてきたんやと思います。
せや、贖罪論がその役割の限界を見せるようになってきよった現代は、キリスト教は特に伝統的なキリスト教国であるヨーロッパ、アメリカなどにおいて、一部の教派を除いて停滞あるいは衰退しているのが現実や。
ある教会データ(当てにはならんかもしれへんが)によりゃ、日本も過去１５０年においてキリスト教の信徒数は人口の約１％で頭打ちの状態やそうや。
要因としてめちゃくちゃ多様やろけど、そのひとつには『罪』および『贖罪』ちゅう概念がもはや人々の現実とはかけ離れたものになっとるちゅうことが挙げられるのんちゃうかな。
『罪』ちゅう概念が人々に切実さをもって訴えなくなったんは、二つの要因が思い浮かぶ。
第一に『罪』ちゅう概念が必ずしも明瞭ちゃう。
『罪』てのは具体的に何を指し、人が『罪人』やとは如何なることなのか、現代人にはどうも合点がいかない。
パウロのローマ書における变述からもうかがえるけど、多重の意味を持っている。
具体的な悪い事をしたのを指す場合もあれば、神から離反した人間存在そのものを指す場合もある。
ほんで、キリスト教において使用する『罪』が、使用する人によって意図する意味が異なるちゅうことも加わり、より解りにくいモンとなり、結果として漠然としたモンになったんちゃうかな。
第二に、規範的なモンに対して懐疑的な現代的特質ちゅう背景がある。
人間の理性や権威的な思想を信じられなくなったポスト・モダン時代において、人々は規範的なモンに対して距離を置いて、人間社会を相対的な観点から判断しようとする傾向がある。『罪』てのは何らかの規範を前提とする概念やから故に、現代人はそれを受け入れず、彼らの思想や生活においてもはや無縁のものとなってしまったんや。
西洋のキリスト教国においても、『罪』概念は人々にとって無意味なものとなってるって、海外の友達と話してて思うし、そのキリスト教会においてさえ、今や関心は罪や罪責ではなく霊性（spirituality）の方に向けられている。
そないなモンから、原点回帰へのメッセージとしてこの作品はあるんやろと思いましたかな。　
全ての宗教に云えるかな。
原点回帰を。

紀元67年、皇帝ネロはローマの街を炎が覆い尽くした大火事の原因がキリスト教徒による放火と判断され、その首謀者として投獄されたのがキリストの使徒でもあったパウロ。
(ちなみにパウロ＝ポールでルカ＝ルークなので以下はその呼び名で。)

キリストが存在していた時代のものまではあってもそこからしばらく経ったローマ国のキリスト教徒に対する迫害を描いた作品は私は初めて拝見しました。
しかしこれらの一つ一つのエピソードがのちに世界一のベストセラー本である新約聖書となるのだと思うと感慨深いです。

因みにここには具体的には描かれてはいませんが当時のローマ皇帝の迫害内容はかなり残忍で生きたまま燃やすとか獣の餌食にしたりとかしたらしいです。怖！

ポールもかつてはキリストを迫害する側だったので正式にはキリストの弟子ではなく、キリストの死後に伝道者となった杞憂な人生を辿っている老人。だからこそポールの発する一つ一つの言葉の重みが違います。
ここに登場するポール以外のほとんどがキリストの生身を見たことがなく、ポールの記憶とその一つ一つが血となり肉となりルークたちだけではなく、敵であるローマ軍側の道標となる。

憎々しい相手を愛して赦す。

ずっとミッション系の学校で『汝の敵を愛しなさい』とは耳にタコが出来るほど聞かされましたが、なかなか出来るものではありません。
でもだからこそその行為が尊く、奇跡を生むこともあるのだとこほパウロの人生が告げてくれているような気がします。
内容はとてもまじめですがいい意味でエモーショナルな部分もあり、聖書系はちょっと・・・って方にも比較的観やすい内容なのではないかな。

“Love is the only way.”

ローマ帝国のネロ帝時代。
キリストが迫害される時代に
キリストの使徒であるパウロと
医者であるルカの物語。

パウロがただの聖人君主ではなく
過去には過ちを犯した人間であるというのが
きちんと入っている。
ルカも道を見失いながらも
パウロの言葉を信じて
マウリティウスの娘を助けた。

宗教に頼りきって
自分で考えることを放棄してはいけないと思うけど
道を見失いそうになったときに
信じるものがあると救われるもの。
それが教えなのかもしれない。


愛ってなんだろう。
誰もが自分に優しい世界を望む。
他人にも優しい世界がいいなって
思うのは簡単だけど
なにげない言葉や行動が
意図せず人を傷つけることもあったりするし
本当にそれって難しい。
言葉にしたり文字で書いたりって
すごく簡単だけど
やっぱり自分の行動で示すことが大切なんだろうなぁ。

とか、柄にもないことを書いてみる。