バルバワ

バーニング 劇場版のバルバワのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
4.6
はーい、関係ない前置きを置きますっ!アシカラズッ(`□´)

上映前のポップコーン販売促進の為、映画の途中にカップルの男が中座しポップコーンを女に買ってあげるCMが流れてましてねぇ…常々私はこのCMに対し「映画の途中で中座するんじゃないっ!」と憤慨していたのですが、嫁にこの事を話すと「そうやって、うるさいことを言うおじさんがいるから若い子が映画館行かなくなるんじゃない?」と言われて、マナー メイクス マンを地でいきたい私は少しモヤモヤしました。

さて、今作もポップコーン中座CMにモヤモヤした後鑑賞しましたよ!

いやぁ、淡々と派手なシーンもほとんどないのに目が離せない!正に低速ジェットコースタームービー!


あらすじはボンクラ作家志望イ・ジョンスが感受性MAX幼なじみっ娘シン・ヘミといけすかないイケメン金持ちベンに出会い日常から非日常へ引きずり込まれる…的な感じです。

異様な雰囲気な映画でした…昨年公開した『アンダー・ザ・シルバーレイク』やジョジョ4部に似ていましたね!

序盤から中盤にかけては妙なラブストーリーに観えなくもないのですが、中盤以降はサイコサスペンスみたいな感じでラストは正に地獄。でもこの地獄の予感は序盤の濡れ場で日差しの陰りで匂わされます。

本当に色んなシーンに「これはこういうことかな…?」と観た人によって解釈が異なるような仕掛けが多いです。例えば"役に立たなくなったビニールハウスを焼く"というのは何の隠喩なのか、つかそもそも隠喩なのか?みたいな感じです。つか、このビニールハウス焼くマンがジョジョの吉良吉影に思えましたよ!


あと、見事に善人が出てこない!主要人物の三人は社会に順応できてないし(てかイ・ジョンスとベンは割りと似た者同士)、金持ちは人の話を感じ悪く聞いてるし、親はクズだし…もう嫌だ!つか、これも何かのメタファー??

全編通して異様な雰囲気が漂っている今作でも笑えるシーンは結構ありました。中盤イ・ジョンスが聞き込みする様子がイイ!キャンペーンガールの文句からの異様なパントマイム教室には劇場でも笑いが起きてました!個人的に一番ツボだったのはイ・ジョンスの自慰シーン!「一体何見オナニーなんだ!」っと空耳アワーの名作を想像して言ってしまいそうでしたよ!まぁ、これもイ・ジョンス的には"無いことを忘れた"ということなんでしょうな。

役者さん達は皆演技が恐ろしく静かです。ベンの底知れない不気味さやシン・ヘミの愚可愛さ、特にイ・ジョンス(しかも、演じているユ・アインさんは傑作刑事アクション映画『ベテラン』のバカ社長という)!間抜けな口の開き方が堪りません!

何処に連れて行かれるかわかったもんじゃない上にマジでスッキリしない映画なのは確実です。ですが、鑑賞後は今作のことしか考えられなくなりますよ!ワケわからんが最高でした!
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