140字プロレス鶴見辰吾ジラ

イメージの本の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

イメージの本(2018年製作の映画)
4.0
【脳内百景】

人生初のゴダールへの挑戦。本作で挑戦してしまっていいのか?あまりに抽象的でコラージュの沼に首までつからされる。何をやっているか皆目わからないのだが血の通った言葉だけが脳裏に語りかけてくる。革命だの、法だの、そして貧困と富との格差だの。これはゴダールの遺言か?憂いか?脳内百景を巡らされる摩訶不思議劇場。それでも言葉に血が通うのでまさにイメージをコラージュ化した本を読むかのように向き合わなければならない。90分に満たないのに異常な体力の消費。ラストに咳き込むナレーションが何より体温を注ぐ。唯一近い発想ができるとすれば上司を前にして自分だけのイメージと文法で悪口を言うかの如く。世界への憂いと、割とストレートな物言いが本質的な希望は法や富裕層には奪えない未知の領域なのでは?と物語る如くだった。