このレビューはネタバレを含みます
牧師の主人公はミサに訪れた女性の相談に乗る。彼女の夫は環境活動家で夫婦は地球の未来に希望がもてず、妊娠中の妻は中絶を検討していた。主人公は牧師として夫婦を説得するが夫は自殺してしまい......という話。イーサン・ホーク主演。共演はアマンダ・セイフライド。
小さな教会の牧師が大教会の腐敗や活動家の生き方に影響されて信仰が揺らいでいく様を描いた問題作。
主人公自身も従軍した息子が戦死した悲しい過去を抱えており、また真摯に教会のために働くも母体の教会のスポンサーが環境汚染を促進する企業だと知り、酒におぼれ
て心を病んでいく。ラストに向けて彼が進めるある計画と精神状態の悪化が切々と描かれていて観ている側も暗い気分になってしまったが、とても見応えのある作品だった。主人公と夫を亡くした妻がお互いの存在によって悲しみを埋め合うところは救いがあったように思えた。
少しモヤモヤする終わり方だったが、あのまま爆破エンドになるよりも心に残る映画になっていた。