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ザ・ミッドナイトマンのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ミッドナイトマン(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

幼い頃母を亡くしたヒロインは、唯一の肉親である祖母の体調不良をきっかけに故郷に戻ってくる。祖母に探し物を頼まれ屋根裏部屋に登ったところ、そこで「ミッドナイトゲーム」というゲームの道具のセットを見つける。道具を調べていると祖母がやって来てもの凄い剣幕で怒り始めた。かつて祖母もそのゲームをやっていた痕跡を見つけ気になったヒロインは、幼馴染とともにそのゲームを始めるのだが…という話。

怪人を呼び出す儀式系の都市伝説ホラー。
儀式とゲームのルールは非常によく練られている。儀式開始の手順はどことなくひとりかくれんぼに似ている。
この手のホラー映画は大抵、登場人物がバカに設定されていて、迂闊な行動をとることで怪異に巻き込まれていくものなのだが、本作はゲーム参加者全員が善良な人物で思考も理にかなっていうという珍しい布陣。論理的に物事を考え、大きく取り乱したりもしないので、イライラせずに鑑賞することができた。脚本家も頭の良い人間をデスゲームに参加させるために苦心したようで「ゲームに対する祖母の不審な驚き様が気になって」とか「ルールを記載した紙が破れていてゲームの危険性が分からなかった」などの説得力のある理由を用意しているのには感心した。途中オカルト好きの友人が登場してストーリーを引っ掻き回すかなあと思ったら、やはり理知的に行動するので安心して観ていられた。
ミッドナイトマンの造形は以前観た「バイバイマン」に似ている気が。対象者の恐怖心を増幅させてダメージを与える能力が映像的に観ていて面白かった。殺害シーンは割とショッキング。

難点は、ヒロインたちがそこそこ冷静であまり取り乱さないため、全然怖くないところと、ミッドナイトマンが割とルールを捻じ曲げるので若干「何でもあり」な状態になってるところかと。
最後のワナは漫画の「恐怖新聞」のエピソード思い出してしまった(古い)。塩で囲んだ円に入ればミッドナイトマンは手出しできないルールのはずなのにそれがほとんど意味がないのはびっくりだった。

ミッドナイトマンより、おばあちゃんのほうが断然怖かった(^^)
少女期の祖母は可愛かったのに…
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