海

悪の偶像の海のネタバレレビュー・内容・結末

悪の偶像(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

コリアンノアールとはこういうことか…

議員の息子が轢き逃げ。
家族ぐるみの隠蔽。
被害者の父親は悲しみに暮れ、真相を突き止めるための証拠探しを始め…
るんだけど、どうもおかしい。

複雑に絡み合うシーンに気を抜くとおいていかれそうな中、
裕福の象徴を地で行く議員が、どんどん変装も兼ねて泥臭い格好になっていく。
被害者の父も、報われないと息子のために頑張っていたのかと思いきや引っかかる言動が多い。

そして現れるリョナ。

絶対に怒らせてはいけないと身内から言わせしめる彼女の恐ろしさが中盤以降どんどん繰り広げられていって、伏線は続々と回収されていく。
わからないままの謎も多いけれど、最後の演説は韓国語でもなければ日本語でもなく、世界中に存在しない言語だという。
にもかかわらず聴衆の反応を見せつけられ、ああ、人の信仰が浮き彫りになってるんだなって。

園子温だってポンジュノだってこんなに有名な監督になる前に刺激的かつ余韻の残る作品がいくつもあったことを思うと、なるほどこれは他人には勧めづらいものの、余韻が残る好みの作品でありました。
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