horahuki

劇場版 ほんとうにあった怖い話2018のhorahukiのレビュー・感想・評価

2.8
全3話+αからなるホラーオムニバス。
今年劇場公開された作品ですが、確か東京だけでの公開だったのでレンタルになるの楽しみにしてました。割とこういう怪談実話系の話好きなんですよね。ほん怖は放送するたびに見てるし。

1話目『音楽』
大学で上京し、マンションでの一人暮らしにも慣れてきた女子大生の主人公。隣の部屋からは時々音楽が流れてくる。チョット迷惑だったけど、スルーしてたら、ある日、夜中の3時になっても大音量で聞こえてくる。さすがに注意しに行ったら、男女がそこで死んでいて…。

ありがちな怪談をベースに、製作陣がオリジナリティを出そうとして失敗しちゃった系のお話。救えたはずなのに救えなかった罪悪感が見せる幻。もしくは、人の酷い死を間近に見たトラウマで精神をすり減らしていく物語に落ち着ければ良かったのに、捻り入れちゃったせいで逆にシラケました。

2話目『孤独な女』
女子大生の主人公はいつも仲良し四人組で授業を受けていた。教室にはいつも端っこでひとり授業を聞く暗い女の子がいた。ある日の帰り道、踏切で偶然彼女を目撃。声を掛けようとするも友だちから電話がかかってきたのでそのまま帰宅。するとまた友だちから電話があり、たった今線路に飛び込み自殺があったと教えられ…。

これが一番好きですね。
孤独とは何なのか。なぜ孤独になるのか。一見、孤独とは縁の遠い人でも孤独へと陥る危険性は常にある。それは人間関係のチョットした掛け違い。何気なく言った言葉、気分が乗らなくて断った誘い。その原因は日常の至る所に潜んでいる。そもそも今仲良くしてる人たちは、本当に仲の良い友だちなのか。その関係に無理して縋り付いてはいないか。「孤独」からの誘いを怪異として描いた、なかなかクオリティの高い作品だと思いました。途中の恐怖演出は残念でしたが、ラストの腕はテーマ的に素晴らしい演出!

3話目『殺人者』
誰もすまなくなった実家を処分しにやってきた主人公と夫。2人は家族の話だったり、今度主人公の妹が子どもを産む話だったりをしてたが、夫の方が赤い服を着た少女を何度も目撃する。でも主人公には見えない。気味が悪くなり車で帰ろうとする途中でも、車内にその少女が現れる。気分転換にコンビニに寄った2人だったが…。

作中に出てくる色んな要素が全て関連してそうにも見えるし、どれも全く関係ないようにも見える。その丁度良い塩梅が良い味を出してる不思議な作品。真相をはぐらかし、意図的に観客を煙に巻くというのは割と有りがちだけど、私的には良いバランス感覚だったと思います。あと鎌の舞も見もの!

+α『殺人者のその後』
3話目のその後を取材形式で当事者、各専門家に聞き取りをする後日談。

これは見る価値なし…。無駄に長いので3話目終わった時点でejectボタンを押すのが吉です。実話としてのリアリティを出そうとして、逆に創作なことを強調してしまうという残念な後日談。そういう意図なのかもしらんけど、単純に面白くないし寒い。

クオリティは低いし特別面白いというわけではないけど、ほん怖系の怪談実話好きならそれなりに楽しめる作品だと思います。キャスト的に圧倒的にテレビでやってるやつのが豪華だけど(笑)
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