わたがし

ティム・バートンのコープスブライドのわたがしのレビュー・感想・評価

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 何回も観てるけど、バレンタインなのでまた観た。生きてても意味ない!!意味ない!!ってひたすら連呼するところとか本当に変な映画だなとあらためて思い、2000年代に入ってもティム・バートンは丸くなんかなっていない、演出がスマートになっただけでむしろ描く本質的なものは一層毒々しくなっていると再認識した。
 めんどくさい女って本当にめんどくさいけど、その何倍も愛おしいよね!!みたいなことを散々描きつつ、結果はやっぱり自分に対して反発も何もしないお淑やかな女を選びたくなるんだよね、みたいなスレスレの男の本音を美談っぽく描いてるのか、本当にこのコープス・ブライドみたいな女性をバートン自身は愛していて、でも生きてるうちは仕方ないよね、妥協するよね、みたいなニュアンスで描いているのか、本心がわからないオチ。どちらにせよコープス・ブライドの声優がやっぱりヘレナ・ボナム・カーターなのが、この映画がティム・バートンにとってのどういう映画なのかのほとんどを物語っている気がする。

2024/01/13
 年齢を重ねるとまた沁みる。あれから数年を経てバートンはヘレナ・ボナム・カーターと別れてしまった。コープス・ブライドとビクターのピアノセッションシーンの表情に鳥肌が立った。愛に飢えて他人で何かを埋めようとする女から自立した芸術的オーラむんむんの女へ化けるグラデーションの美しさ。ちょっと突っ込んだこと考えすぎかもしれないけどバートンはボナム・カーターのこういうところに惹かれていたんじゃないかと思った。
 話はいい加減なところが多いなあと少し思ってしまうけど、圧倒的にコープス・ブライドのキャラが魅力的すぎる。あと婚約相手がストレートにかわいい
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