真っ黒こげ太郎

マスターズ・オブ・ホラーの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

マスターズ・オブ・ホラー(2018年製作の映画)
4.0
「悪夢へようこそ…。」
何故か観客の方々が語り部のミッキー・ロークさんにビビる!!!w



様々な観客が引き寄せられるように入ってゆく古びた映画館。
そこでは入り込んだ観客自信が主演として映っているホラー映画が上映されていた…。
観客たちは映画の主役として、それぞれ恐怖を味わう…。



不思議な映画館を舞台に描かれる、5つの短編から成るオムニバス形式の短編ホラー作品集。
今作はちょっと特殊な内容で、5人の映画監督が集まり、それぞれ描いたつながりのない短編を2時間流す映画となっております。
他の映画で言うと「ABC・オブ・デス」とかが近いと思います。
(まぁあっちは26人もいましたが今作は5人しかいないので今作の方が話のボリューム自体は多めか。)

一応、ラストではそれぞれの話の繋がりみたいなのが描かれたりしますが、よく分かんないので、話はあってないようなモンです。w
尚ミッキー・ロークさんは語り部ですが、何故か登場するたびに観客はビビってます。w


今作は短編の連続で、1作1作が独立している上に尺も20分位で纏まっててテンポが良い。
そのため、「最初から最後まで面白かった」という事はないが、「最初から最後まで詰まらなかった」という事も無いと思います。
「面白い分尺が短くて食い足りない」と思う個所もあるし、「尺が短い分苦痛な時間を味わうのが少なくて済む」と思う個所もそれぞれあるワケです。

それぞれの内容に関しては出来不出来の違いこそあるけど、各個人の作品の好みが分かれると思いますが、その分自分の好きな内容やそうでない内容がどんな物か分かるかもしれません。

取り敢えず、流れる順に私的感想を垂れ流してゆきます。w



①喧嘩してる女性が入り込んで始まる最初の映画。
謎の溶接男に若者達が襲われる、スラッシャー・ホラー。

監督は「ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド」のアレハンドロ・ブルゲスさん。
あれ見たの大分前だけど、何かよう分からん割には面白かった覚えがある(小並感)。w

トップバッターにして、一番の面白さだった。www
真っ当なスラッシャー物かと思いきや、殺人鬼との殴り合いがあったりで楽しい。
更に後半では殺人鬼の真意が明らかになり、まさかまさかのどんでん返し。
オチも良い感じで、勢いがあって面白かったよ!!!!



②カップルが入り込んで始まる映画。
美容整形手術を受けた女性が、病院で酷い目に遭わされる。

「グレムリン」「スモール・ソルジャーズ」のジョー・ダンテさんの作品。
個人的にジョー・ダンテさんはファミリー映画のイメージが強いけど、そういえば初期の作品はモンスターホラーが多かったね。

最初は顔に傷のある女性と男性の恋愛話や女性が整形手術を受けるかどうかの話で退屈…。
しかし手術を受ける女性が悪夢を見始めてから少しずつ不穏な気配を匂わせてゆく。
そして段々とおっかねぇ病院の真相が明らかになってゆき…。

前半はたるいけど後半は徐々に怪しい病院の恐怖が顕になってゆく。
スプラッター感は皆無だが、異形の不気味さは中々で恐怖感を感じられた。
話もそつなく纏まっているし、ホラーとしての怖さは十分味わえた。
総評するとそこそこかね。



③神父さんが入り込んで始まる映画。
悪霊と神父&シスターの戦いを描いた、オカルト・アクション映画。

監督は「VERSUS ヴァーサス」「ゴジラ FINAL WARS」等の傑作を手掛けているのにネット上でボロクソに言われてる、でも俺は大好きな北村龍平ニキ。w
(正直、北村さんやケインさんのアクションをディスられる所為でゴジラが嫌いになりかけてます。)
実を言うと本作を観た目的の8割位はこの人が参加しているからだったりします。wwwwww
アクションのイメージが強いけど、最近はスプラッター映画を手掛ける事が多い故の人選でしょうね。

今回は凶悪な悪霊が次々と殺戮を重ねてゆくエクソシスト物。
北村さんにしては珍しく真っ当なホラー…かと思いきや、最後は悪霊が乗り移った子供達とド突き合うという何時もの北村さん作品でした。www
BGMは大げさだし、やたらバイオレンスだし、神父とシスターが思いっきりヤッてたりと相変わらずクレイジーな北村さんワールド全開www

よく分からんサブリミナルはあるし、中盤タルい所もありますが、相変わらず北村龍平さんの作風は健在で何かホッとした。w
正直出来は荒いけど、好きなタイプの内容でした。w



④別の女性が入り込んで始まる映画。
病院に来た女性が、狂気の病院内を彷徨うお話。(病院ネタが被った!)

監督はデヴィッド・スレイドさん、よく知りません…。
最近は「ブラック・ミラー: バンダースナッチ」なる作品が話題みたいですが、Netflixに加入してないので全く分からん…。

反抗期な子供2人と共に病院で待たされていた女性。
ようやく医師に呼ばれた女性は「何もかもが醜く変わってゆく」と医師に相談するも途中で追い払われてしまう。
その後病院内で子供を探すが、既に狂気が彼女を蝕んでおり…。

狂気に蝕まれた女性の視点をモノクロで描いており、不気味さは中々。
だが、話が分かりづらいかったり、オチとかがやや消化不良気味。
私的には一番微妙かな…。



⑤アフロヘア―の少年がピアノを弾くと共に始まる映画。
死の淵から蘇った少年が、病院内で恐ろしい物が見えるようになってしまう話。(ってまたか!また病院かよ!!!)

監督はミック・ギャリスさん。
この人も良く知らない(爆)が、スティーブン・キング関連作品の御用達の監督さんみたいです。

突如として悪党に家族が殺され、少年自身も撃たれてしまう!!!
手術の末、少年は一命を取り留めるが、少年は死んだはずの人々が見えるようになってしまう!!!
更に死んだ少年の母親が少年の命を狙っていた!?

死者の姿が見えるようになった少年が病院内で恐ろしい目に遭う「世にも奇妙な物語」チックなお話。
無論スプラッター描写はあるし、ラストもホラーなオチ。
でも死人が見える少年と少女が惹かれあったり、後半悪夢を跳ねのけて悪党を退ける展開は何処か青春映画感がして良い。
その直後に急転直下するホラーなラストも好みだ。
でも未消化な所やハジケた場面が少な目だったのでそこそこかな。

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取り敢えずアレだ、病院ネタ多すぎ!!!wwwwwwww
5個中3個が病院絡みって、ドンだけネタ被りすんだよ!!!!
後地味に殴り合いが多い!!!北村龍平さんの作品は兎も角、4番目以外の殆どの作品がド突き合ってる!!!wwwwww

後今回は演出で脅かすよりスプラッター等のヴィジュアルで怖がらせるのが殆どなので、Jホラーみたいな死ぬほど怖いドッキリホラー的な奴は無かったですね。
まぁアレ苦手だし、やられても今晩トイレに行けなくなったり寝不足になったりしてしまうので別にいいです。w
まぁそれぞれスプラッター描写も多く、偶にバカ展開もあって、ちゃんと要所でホラーな不気味さを醸し出してくれたので、2時間飽きずに楽しめました。

評判は良くないですが、自身のホラー志向を知るのにもうってつけだし、どれもそこそこには出来が良いので、興味のある方は観てくださいな。

個人的な各作品の評価はこんな感じ。

①4.5(一位)
②3.7(三位)
③4.0(二位)
④2.9(最下位)
⑤3.6(四位)

①はスプラッターやバカがいい具合にミックス。勢いがあって良し!
②は前半ダメだけど少しづづ不気味になってゆくのが中々。
③は相変わらずの北村さんさんクオリティ。
④はよく分かんなくてイマイチ、不気味さは伝わるけど…。
⑤は青春かホラーかどっちつかずだけどまぁそれなりに。

こうして観ると、俺スプラッターとアクションとバカに寄った内容が好きなんだなぁ。w
う~ん、何と言うかいつも通りだった!w