🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-244
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋とにかく萩原みのり＝みのりのための作品ですね。彼女の心の鬱屈だけを130分追いかけたドラマ。これはこれで新鮮で面白く、萩原みのりの終始不機嫌な演技に魅入ってしまいます。

🖋 アルコールに溺れた挙句酷いことをして死んだ父親を今も恨み、とっても美人なので、自分の美しさにつけ込もうとする男や女友達に絶望し、さらに理不尽な言動には毅然と対する、その鬱屈した心の叫びがその表情や態度から伝わってくるのが素晴らしい。またみのりの周りの無関係にも感じる男たちや女たちの行動ぐだぐだと描いているのも計算された演出だと思うとやはりこれまた素晴らしい。

🖋本作、二ノ宮隆太郎が、鎌倉を舞台に一人の21歳の女性の生き方を描く青春ドラマ。鎌倉でお婆ちゃんと暮らす21歳のみのりは甘味処でアルバイトをしている。彼女は男たちに絶対に屈しない。。。出演は萩原みのり。『カメラを止めるな！』などを輩出したENBUゼミナール主催のシネマプロジェクト第8弾となる作品です。

😌Story:（参考: Movie Walker）
海辺の町、鎌倉でお婆ちゃんと二人で暮らしている21歳のみのり（萩原みのり）は、観光客が立ち寄る小さな甘味処でアルバイトをしている。日々の生活のなかで出会う男たちに決して屈しない彼女は、大男にも平気でケンカを売り、持論を投げつける。誰にも媚びない、甘えない彼女だったが、親友の理恵子と未来を想像したとき、現実と向き合っていなかったことに気づく。

🔸Database🔸
・邦題 :『お嬢ちゃん』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 2018
・日本公開 : 2019/09/18
・上映時間 : 130分
・受賞 : ※※※
・監督 : 二ノ宮隆太郎
・脚本 : 二ノ宮隆太郎
・原作 : ※※※
・撮影 : 四宮秀俊
・音楽 : 根本飛鳥
・出演 : 萩原みのり、土手理恵子、岬ミレホ、結城さなえ、廣瀬祐樹

🔸Overview （参考:映画. com ）🔸
大ヒット作「カメラを止めるな！」を生み出した映画専門学校「ENBUゼミナール」のワークショップ「シネマプロジェクト」の第8弾で製作された2作品のうちの1作。俳優として活動するかたわら映画監督として作品を手がけ、劇場デビュー作「枝葉のこと」が第70回ロカルノ国際映画祭のコンペティション部門に出品されるなど、国内外で注目される新鋭・二ノ宮隆太郎が、夏の鎌倉を舞台に、ひとりの若い女性の生き方を描いた。鎌倉に暮らす21歳の女性みのりは、観光客が立ち寄る小さな甘味処でアルバイトをしながら生活していた。一見普通の女性に見えるみのりだが、実は彼女は普通ではなく……。

『お嬢ちゃん』
映倫区分 PG12.
製作年 2018年。上映時間 130分。
神奈川県鎌倉市を舞台にしたドラマ。
現実と向き合う若い女子の姿を映し出す。
メガホンをとるのは二ノ宮隆太郎。
萩原みのりがヒロインを演じ、土手理恵子、岬ミレホ、結城さなえ、廣瀬祐樹、伊藤慶徳らが脇を固める。

観光客でにぎわう鎌倉の小さな甘味処でアルバイトしている21歳のみのり(萩原みのり)は、自分より体格が大きい男性にもけんかを売るような性格だった。
誰にも甘えない彼女は親友の理恵子と未来について考えるうちに、現実から目を背けていたことに気が付く。

ようもまぁ、こないなボンクラ野郎を集めたもんや。
今作品に登場する男子は突っ切ることも出来ないヘタレに、蝶々でも追いかけとるようなバカばかり、とは云えカスと呼べるのは不思議といなかった。
(自称パチプロは出てましたが家族円満ポイしカスではないかな)
実際の社会は、そないにボンクラ野郎ばかりではない。
あくまでも、主人公みのりの葛藤の一つを鮮明にする装置としてのボンクラピックアップに過ぎないが、男子の登場人物にはあきれてまう。
みのりの男運の悪さも心配になる。
テーゼ(ボンクラ野郎)ばかりを見せるのではなく、アンチテーゼとしてのマトモな野郎も描き、ジンテーゼたる観てる側にも希望って道をオーバーじななくてもドラマ性を持たせては欲しかったかな。
みのりが男性に生まれてたら、キリリとした昭和の不良ぽくなってたんかな。
夕焼け番長的な。(古っ)
しかし、悲しいかなみのりは力の弱い女子。
力の強い女子もたしかにいるが、男性にクンロク(脅し)入れれる女子は少ない。
仮に『みのり』が男性『みのる』ならば間違いなくスタイリッシュなケンカをしそうなタイプと思う。
朝倉未来のような(はぁVSメイウェザー楽しみに)
争論しててナメられることもなく、よしんばナメてきてもシバき倒すことも可能やったはず。
また、家を飛び出し、ささやかでも一代を築くことも可能やったはず。
(女子が家出スタートから一代を築くのは悲しいかな野郎よりは難しい。ムリとは思わないが)
しかし、これは映画の中の物語。
そうでない女子を描くことで問題提起が生まれる。
今作品のように『あれ？』って疑問符が頭に浮かんだとき、多くの人が何もなかったように、日常に戻る。
中には、その疑問符を自分なりに真摯に受け止める人もいる。
みのりのように。
長い人生、葛藤し、立ち止まりつつも歩むのは、その時だけを見れば、遠回りにのように感じるが、ある地点に到達した時、決して遠回りではないと気づくはず。
立ち止まり真摯に向き合った時間は、むしろ有意義な時間だと、ある時に気づくはず。
気張りなはれ、みのりはん。
気張りなはれ、今深く葛藤の渦にはまってる若者たち。
今作品は、海辺の町・鎌倉を舞台に、十代後半から二十代前半においてはシビアなテーマがバカンス気分で語られてます。
ビーチ、波、カフェが主人公たちの舞台。　
一見すると、長回しの会話シーンが続くだけ。
しかし、映画が進むにつれて、意外にも映画の世界に深く引き込まれ、最後には、結構主人公に親近感覚え微笑ましくも感じました。
二ノ宮隆太郎監督による撮影は、手ぶれしていて、イラっとくるときはあったが、まぁご愛敬としては生き生きとしてた。
編集は多くのカットを控え、台詞にスペースを空けてて、時に疲れるので、かなりスローペース。
主人公・みのりを演じるのは、萩原みのり。
彼女の演技は佳く存在感もある。
彼女が出演していないシーンでも、その存在感があり、ボンクラ野郎どもとどう繋がるのか考えていた。
彼女の感覚としては心理的な厳しい防衛機制によって定義されてて、彼女は率直でエネルギッシュ。　
故に、その力をもて余してる感が痛いほど伝わるし、それが葛藤の格好のエサとなってる。
日本に暮らす以上、目線は変われど彼女はずっとこのことには悩まされるやろな。
彼女は、亡き両親の過去と葛藤があり、幼少期に酔っ払いの父親から虐待を受けていた気配すら窺える(これは個人的な想像)。
とてもアンタゴニズム的(敵対的)な役だが、脆弱性もあり、友のごくごく普通の女子、理恵子との友情は、彼女の心のねじれを物語る。
一方では、理恵子（土手理恵子）をレイプしようとした野郎をツメにいく(話をつけにいく)このくだりは、少々尻切れトンボ気味やったが、みのりの性格がよく知れるシーンだと思います。
その一方で、自分の人生には何の計画もなく、理恵子に依存している部分も否めない。
他のキャストも良いが、みのりは特に良かった。
また、今作品は音楽がないことも特徴で、みのりの内なる音だけが、本物の雰囲気を醸し出していました。
会話はとるに足らない事の非難やったけど、間とリアクションがうまくミックスされててリアリティーがありました。
脚本は、オーバーながら、愛の喪失と偽善によって定義された深い人物像を明らかにし、即興の要素は、個人が別の人物になりきって、彼らが話すある出来事を説明するロールプレイによって拾われてる。
強力な主演女優による強いメッセージを伝える長編といえるかな。
みのりは、表面的なことに辟易し、孤独を感じて、幼少期から恋愛ができず、世の中に居場所がないように見える。
みのりは異邦人のようであり、異なる所に生きる異生人のよう。
彼女にはその理由が今はわからない。
そのことに怒りを覚えるてる。
みのりの未来に『太陽が眩しかったから』と小説『異邦人』のムルソーの様に殺人などを犯さないことを祈る。
また、スティーブ・ジョブズの言葉を借り物ながら贈る。
偉大な仕事をするためには、自分が情熱を注ぐことができる仕事を探すことだ。
もし見つかっていないのであれば諦めないで探し続けなさい。

そうかこの言葉を探していたのか
自分自身そのものだ
萩原みのりが存在で体現してくれたし、
世界の不接続性もまたリアル
自分もほんとうにあーゆう歩き方してる

生きてくってほんといらいらする
なにがとかじゃなくて
べつに怒ってるわけじゃなくて、
投げやりになってるとかじゃなくて

でもこれは『お嬢ちゃん』
正直これまでとゆーか今もあーゆう他人をくだらないと思っているけど、自分はどうなんだと気づく。作中のみのりも自立した女性のようでまだ大人ではなかった。

でも歳をとったらこの不機嫌さはどこかに行ってくれるのかな。この感覚がなくなるのが幸せならそれでいいけど、たしかにもう十分幸せだし

ほんと泣けてくるんだよな
色々くだらなくて
でもコロナ禍よりも前におんなじこと思ってた人がいるだけでなんだかだいぶ救われた

「ほんとくだらなくない？
いろいろ、どいつもこいつも
ほんとくだらない」