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外国人よ、出て行け!
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目次

外国人よ、出て行け!の作品紹介

外国人よ、出て行け!のあらすじ

ある日、ウィーン歌劇場前にコンテナがいくつも設置される。そこには 12人の難民申請者が入れられ、監視カメラで内部の映像が 24 時間ウェブ上に流される。毎晩ウェブ投票が行われ、視聴者の決めた2名が、コンテナから出され国外追放となる。最後に残った 1 名のみが、 晴れてオーストリアの滞在許可を得られるのだ。反移民の極右政党が政権入りを果たした 2000 年のオーストリアを舞台に、シュリンゲンジーフが行った社会的パフォーマンス/アー ト・テロリズムの記録。

外国人よ、出て行け!の監督

パウル・ポエット

外国人よ、出て行け!の出演者

クリストフ・シュリンゲンズィーフ

原題
Schlingensiefs Container - Chronik einer Kunstaktio
製作年
2002年
製作国・地域
オーストリア
上映時間
90分
ジャンル
ドキュメンタリー

『外国人よ、出て行け!』に投稿された感想・評価

優希
5.0
 "オーストリアを愛してください!"

輸入盤DVDで鑑賞
我らがシュリンゲンズィーフによる反排外主義アート活動、それを記録したドキュメンタリー映画
ドキュメンタリーなだけありズィーフの純粋なキチガイぶりが感じられる上、根本にある冷めた視線と独特な厳しさのヒューマニズムなど大半の作品に共通する"思想"が伝わってくる

オーストリアの保守政党が「排外主義を掲げる極右政党"FPO"と連立することはない」と公約に掲げて支持を集めたにも関わらず、平然とFPOと連立与党となったことを背景に企画は練られた
ウィーンのオペラ座近く、観光地に建てられたコンテナに12人の難民申請者が集められた
毎日投票が行われ1日2人の難民が追放される
最後に残った1人が勝者としてオーストリアに残ることができる
参加者はコンテナでの暮らしを覗き見したり、他の人々とコンテナ前やチャットで議論できる
つまり、この企画『外国人よ、出ていけ!』は「FPOがレトリックを凝らして誤魔化しつつ掲げる排外主義がどういうものか」「普段人々が気軽にSNSなどに書き込むものがどういうものか」それを可視化し暴くものであり、そして多くの人々を巻き込み「議論」と「思考」を巻き起こすものである……

全体的に見やすいカメラを心がけてる印象で、何を強調したいのかが整理されてる
何が起こるのかとワクワクし、『外国人よ、出ていけ!』なんて看板に歓声を上げる人々の中で静かにそれを見続ける人……深刻な差別などが軽い気持ちで主張されていることを1ショットで示していてすごく良いと思った
ニュース番組などマスコミを意識しているところもあって、例えば難民が収容所に入れられる場面では民衆の好奇の目とマスコミのカメラが重なるような質感で、ものすごく悲しい不快感がある

この企画、見ればわかるってくらい皮肉だしシュリンゲンズィーフもわかりやすくアピールしてるのね
それもあってか最初は物珍しげに見るだけで何も起こらない
しかし次第に騒動は大きくなり、どちらともなく議論となり白熱し事件にまで発展する
夜中に看板を外そうと侵入する者やナイフを持って突撃する者、酪酸を投げ込む者……サラッと書かれてるけど警官に1人射殺されてるんですがそれは(絶句)
シュリンゲンズィーフもまた何回も殴られたりしてるし、本人に脅迫の電話も来てて命の危険を何回も感じたそう
ちなみに仲間が「自分の安全に対して無責任」と言うほどにはノーガードを"ズィーフは"貫いてたらしい……この理由は仄めかされてるので後述

議論に関しては街中で行われるものだから理路整然とはしてないし断片的、それに熱くなりすぎてる場面も多々ある
しかし人を選んで冷静に議論して結論を出すことよりも、むしろ「大勢を思考と議論に巻き込んでいく」ことこそが大切だと伝わってくる
企画への反応、そして議論などを観るとわかるけどリベラル側の人間も排他的なんだよね
冷静に話し合おうとする人は左右のどちらにもいるけど、声のでかい排他的な人間もまた左右にいる
普段は政治に関わらない人、排他的で"他者"と議論しない人……あらゆる立場の、あらゆる属性の人々を巻き込んで議論させる
結論なんて出なくていい
ただオーストリアには「罪」があると暴かれ、交わるはずのなかった人々が関わり、そして問題について自分なりに思考を重ねていく
最後にも語られる、多くのシュリンゲンズィーフ作品に共通する「話し合おう!考えよう!私たちは同じ人間なんだから」というテーマが繰り返し繰り返し、人々の実践を通して紡がれる

企画としては「反排外主義」だけどその形は「難民を受け入れよう」ではない
「排外主義者もリベラルも、全員で対等に話し合おう!みんなで考えよう!それが民主主義であり、人間だ」というものが根本にある
それがあるからこそ、途中でデモ隊が難民を解放しても企画を続行したのがあると思う
シュリンゲンズィーフ自身はリベラル側でも、芸術が政治思想の傀儡になってはならないという思いが強かったのだろう
というかこの辺はズィーフの仲間が語ってることが全部かな……自己欺瞞に陥った活動に価値はないって話
さっきのノーガードの理由も多分これで、自分だけで安全で他の人は怪我の恐れがあるっていうのは対等じゃない、欺瞞でしかない
だからシュリンゲンズィーフ自身は命の危険を感じてもノーガードだったんだと思う
ヒューマニストととしての厳しさが自分に向かってる一方、対話への誠実さでもある
企画としては思い通りにはいかないことが多かったみたいだけど、多分1番悔しかったのは極右政党FPOのリーダーである"ハイダー"を招待したのに来なかったこと
実際、左派系の人は来ていろいろ話してるのに右派系言論人や政治家はコンテナ前での議論や演説にほぼ来てないのがかなり印象的
呼んだのに来なかったという事情があれど、映画としてリベラル側に「議論の場そのもの」が傾いてる印象は否めなかった
ヤバめの一般ネオナチは映しまくってるので多分本当に来なかったと思われる……

ちなみに企画の話ばかりしてたけど、さりげないけど「映画としての巧みさ」もある
本編で「相手に反論するときは適切に引用するだけでいい」って話が出てくる
FPOの議員に取材したコメント、"そっち"の人にだけはわからなそうって絶妙さで批判的な引用になってるのがめっちゃ面白い
作中で語られたテクニックが実は作中でずっと使われ続けてるの好き

エンディング的に流してる曲がダブルミーニングっぽい意味深さを持っていたり、企画に重点を置きつつも「単なる記録」ではなく「その企画はどういうものだったのか?」ということ
それも説明ではなく、自分が追体験したかのような、本当に自分事のような衝撃を与える形で訴えかける
ドキュメンタリーの対象そのものがイカれてると変に前衛的な映画にしなくてもアヴァンギャルドな衝撃を受けるんだなって……
深刻なテーマの描き方、そこに込められた「民主主義の実質」……またシュリンゲンズィーフの思想などが素晴らしいほどに表れていて面白かった!!
シュリンゲンズィーフは本当に……気が狂ったような天才であり、繊細なヒューマニストだよなあ……
『外国人よ、出ていけ!』からズィーフ入ると他の作品観ても単なるキチガイだと勘違いしにくいと思う
ドキュメンタリー映画なのに輸入盤しかないけど😰
シュリンゲンズィーフBD-BOXだせ😡😡😡
mingo
4.0
これは世界の傑作ドキュメンタリーに選ばれても良いくらいのシュリンゲンジーフの真面目よりの映画作品。RPGでワラワラ集まってくる雑魚キャラのように民衆が集まってやんややんや暴言撒き散らしてくるのだが虚言癖ババアはもちろんのことめちゃめちゃ巨乳で美人女性とか意味不明すぎて時空歪みかけてる。シュリンゲンジーフ特集早稲田松竹とかにいってほしかったけど流石にコアすぎるか、、
今の政府がどういう方向にに進もうとしているのかということを、無知な国民に突きつけるという意味では今の日本でも同じようなことやった方がいい。やっぱり集まってくるのは老人ばかりだと思うけど。

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