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酔うと化け物になる父がつらいのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ヒロインの父は普段は静かな人物なのに酒が入ると酷い酔っ払いに変貌してしまう。そんな父に苦しめられた母は新興宗教に没頭する。そんな家庭で育ったヒロインはふさぎがちになるが、家族のことをギャグ調の漫画にすることでその才能を開花させる。実家生活を続けていたヒロインだが、ある日父が病に倒れてしまい......という話。

僕は(自分も含めて)酔っ払いは嫌いなので、序盤から家族に迷惑かけまくる父親とその飲み仲間の行動にはかなり不快感を抱いていたし、母親の死の原因である酒を一旦は断った父親が再び飲んべえに戻るところは正直信じられないと思って観ていた。

しかし、父親が唯一しらふでいられる会社での苦悩やほとんど酒を飲めなかった過去などが語られるにつれ、罪悪感を持ちつつも飲まずにはいられない父親の複雑な内面が垣間見られるようになり、劇中の家族にどんどん引きこまれていった。父親が酔った時にふと娘に投げかける言葉が優しいのも良かった。

終盤、父の病気が発覚してからはヒロインの愛憎相反する感情が描かれ、最後に冒頭に掲示されていたカレンダーの伏線が回収される流れは涙なしにはみられなかった。

オダギリジョーが出演者としてクレジットされていたが、まさか出番あれだけとは(^^)
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