Taka

新感染半島 ファイナル・ステージのTakaのレビュー・感想・評価

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「新感染 ファイナル・エクスプレス」から4年後を舞台にした続編。個人的には「新感染」は2017年のベストに選ぶくらいには好きな作品で、そんな良くできた作品に続編なんているのか?と思いつつ、鑑賞してみると続編映画で言うなら「エイリアン2」パターン。「新感染」とはまた違ったゾンビ映画の面白さが詰まった作品だ。

これはポストアポカリプス映画だ。本作の影響元に「マッドマックス」を挙げているが、まさに観ているとそれも頷ける作品。荒廃した韓国に香港へ逃亡し暮らしていた主人公たちが乗り込むという話。前作は列車というワンシチュエーションでゾンビとの闘い、人々の心理を描いたが、本作では舞台を韓国の街そのものにしたことでサバイバル映画としての機能が上昇し、人間の醜さを倍増させていることに成功している。

また、ゾンビの屍感が増したのも面白い。前作はパンデミックになる様を描いたので、そこに人間ドラマの温かみを詰め込んだりしたが、本作ではその要素を薄くする代わりに、カーチェイスなどで撒き散らすためにあり(カーチェイスのCGすぎ感が個人的には否めなかったりするが)、数で勝負したと言って良い。特徴を掴んで、サバイブするあたりも面白い。


2021年の映画始めに本作を選んだは良いが、昨年はコロナ禍だっただけにゾンビ映画と言っても現実と虚構の距離感は縮まった感じを抱いた。冒頭のシーンなんかはその通りで、ラストもああいうオチにしたのは良い形になったとは思う。

本作は「新感染」の続編というよりは「マッドマックス OF THE DEAD 半島のデス・ロード」として観ると大変面白い映画です(何せ、行って帰ってくる話ですから)。あと、1/15から4D上映が行われるそうですが、IMAX版で観た感じ、これはおすすめできます。
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