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その手に触れるまでのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

その手に触れるまで(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ベルギー在住の13歳の少年が主人公。
ゲーム少年だった彼だが、兄と一緒にイスラム原理主義の礼拝に通ったことからそこのモスクの尊師の影響を受ける。主人公の放課後クラスを受け持つ女性教師はイスラム経典でしかアラビア語を学ばない教徒たちのためにアラビア語講座を企画するが、尊師らは快く思わない。主人公も次第に教師へ反抗的な態度を取るようになり、やがて尊師らも予想しない行動に出て......という話。

宗教の過激な教えにのめり込んだ少年の狂気を、彼を更生させようとする周囲の人々とともに描いた作品。
ジャケットの印象だと感動ものかと思っていたが、母親や施設の大人たちの努力も虚しく主人公の偏った正義感は中々消えない。尊師にも見捨てられも信仰を持ち続け、女性教師への敵意を捨てない彼の姿は信仰の薄い日本で育った者からすると理解しがたい。だが、それ故に深く見入ってしまった。
ラストの主人公の言葉に、一度信じたことにすがるしかないくらい迷いを抱いていたのかなあと感じた。

ジャケットの主人公はリレーのバトンを待ってる構図なのね。
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