Xavier

キングメーカー 大統領を作った男のXavierのレビュー・感想・評価

4.2
"人を信じること"。改めて、その大切さが解るなぁ…
1961年、韓国東北部の江原道で小さな薬局を営むソ・チャンデは、世の中を変えたいという思いから、自分の主義と合う野党の新民党に所属するキム・ウンボムに肩入れし、ウンボムの選挙事務所を訪ね、選挙に勝つための戦略を提案する
その結果、ウンボムは補欠選挙で初当選を果たし、63年の国会議員選挙では地元
で対立候補を破り、新進気鋭の議員として注目を集めるようになっていく。
その後もチャンデは影の参謀として活躍するが、勝利のためには手段を選ばないチャンデに理想家肌のウンボムは次第に理念の違いを感じるようになり…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
実話を基に作られた大統領選挙の裏側を描いた作品。
最初から互いに主義が同じだったチャンデとウンボム。2人とも何人も平等である世の中に変えたいと願う。
違うのは選挙のやり方。
地道な草の根運動で自分の公約を民衆に認めて貰おうとするウンボムに対して、チャンデはどんな手を使っても勝てばいいと考える。
最たる考えは"1票獲得するより、相手の兵を10票減らせばいい"と考える合理的な考え。
農村部にシャツや小麦粉など"賄賂"を配る与党に対して、与党の腕章を巻いた人員に賄賂を回収させ、それを自分達の賄賂として配るシーンなんて"なるほど、そんな手があるとは!"と思わせるぐらいだったしね。

そして、そんなんチャンデのお陰でステップアップしていったウンボムなのに、陣営の中からチャンデの手法に意を唱える者が増えてくると、チャンデの事がだんだん疎ましくなっていく。

ウンボムは、言っている事は立派だけど行動が伴ってないよな。
チャンデの選挙のやり方が気に食わなくて、休暇という"謹慎"で自分から遠ざけるくせに、国会議員の選挙や大統領候補選などの自分の今後が大事な場面では、チャンデの選挙手腕に頼る。

卑怯だよな…

そんなウンボムに対しても、同じビジョンでこの先を見ていると思うチャンデは全力で支える。
なのにウンボムはチャンデに…

冒頭にも書いたけど"人を信じること"って大事なんだと思う。それが長年に渡り共に歩いてきた仲間だったら、尚更のこと。
"信頼"というものは一瞬で壊れ、そして
2度とは戻らない。後で、どんなに悔しがっても…

そう思わせる作品だった。
Xavier

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