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1917 命をかけた伝令のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

第一次世界大戦中のヨーロッパが舞台。イギリス陸軍はドイツ軍の戦線後退が罠だと看破したものの、ドイツ軍に電話回線を切られてしまい最前線の連合軍に罠の存在を伝えることができない。陸軍将校は攻撃中止の伝令を二人の青年将校に託すのだが......という話。

最前線に向かう兵士の1日をワンカットのように撮影している。監督は「007 スカイフォール」などで知られるサム メンデス。彼の祖父の従軍時のエピソードが作品に反映されているらしい。

映像の迫力と美しさに圧倒される作品。
序盤は死体と汚泥にまみれる閑散とした戦場を敵襲に怯えつつ進む二人の兵士の姿を追う静かな展開なのだが、一方の兵士が戦死する前後から一気にダイナミックで緊迫感あふれる映像へとテンポアップし、そこから画面に釘づけとなる。
特に夜の街での戦闘シーンは暗闇の中、炎の明かりだけで街並みが顕になる演出となっていて幻想的ですらあった。最前線の緑広がる風景の雄大さを見せた後に本作最大の乱戦が始まるというメリハリの良さも絶妙だった。
主人公は多くの命を救った英雄であるはずなのに、任務の後に残るのは親友を失った心痛とこれからも続く戦争の虚しさというのも物悲しかった。それでも主人公が愛する者のもとに帰れることを示唆した終わり方なのは救いだった。

伝令の相手である大佐役がベネディクト・カンバーバッチなのはビックリ。
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