このレビューはネタバレを含みます
5年前の交通事故で長男を失った母と弟のもとに兄の元恋人が現れる。彼女は妊娠しており、兄の子に間違いないと主張する。兄の死で心に深い傷を負っていた母は激怒して元恋人を追い返す。その後、母と弟は果たして5年前に死んだ兄の子を身ごもることは可能なのか調査を始めるのだが...という話。
真相にたどり着くまでに観客を右往左往させてくれるミステリー作品。
観る前は元恋人はホラー的な要因で妊娠したのかと予想していたが、そんな超常現象によるものではなかった。また、冷凍保存された精子による懐妊は科学的に可能で、しかも兄の父親は不妊治療の医師で元恋人とも頻繁に会っていた設定なのでややこしい話になっていた。兄の死によって家族が崩壊している様子を実に痛々しく描いてた。
妊娠の原因は中盤で明かされるのだが、そこから5年前の事故のパートと現在の出来事が交互に描かれる演出になり、そのことで全ての情報が開示されて作品の全貌が分かる構成になっているのはすごかった。なんとも言えない終わり方だった。救われないけどね。
生まれた子どもの行く末がかなり心配(>_<)
