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羊飼いと風船のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

羊飼いと風船(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

チベットの草原の羊飼いの家族が主人公。
避妊をせずに夫と一夜を共にした妻の妊娠が発覚。時を同じくして祖父が休止してしまう。経済面の苦しさから堕胎を選択しようとする妻だが、葬儀に立ち会った高僧から祖父が主人公たち家族の一員に生まれ変わると告げたため、夫は出産を望むのだが......という話。中国制作映画。

近代化や貧困に翻弄されつつも昔ながらの慣習に従い生きる家族の物語。一人っ子政策が施行されている中国ならではの苦悩も描いている。
自然の美しさと苛酷さをバリエーション豊かな構図で映し出す監督の手腕が見事で、特にガラスや水鏡越しの画で心情を表す演出が細やか。セリフが少なめながら物語の進行とともに登場人物の関係性がすんなり分かるところは上手かった。尼僧となっている妻の妹の悲恋の話とコンドーム風船のエピソードが印象に残った。空に上っていく風船をそれぞれの人物が見上げるラストも余韻が残った。
ただ、相当地味な作風でストーリー自体はやや退屈に感じた。

妹の元恋人が書いた本を姉が躊躇なく燃やそうとするシーンはかなりビックリした。
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