minorufuku

プラットフォームのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

プラットフォーム(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公は中央に穴の空いた部屋で目覚める。そこは塔のように上下に無数の部屋が広がっていた。階層は1ヵ月ごとに上下に入れ替わり、食糧は上から降りてくる台座で運ばれてきて、下に行くほど飢えに苦しむルールだった......という話。スペイン映画。

極限の状況の中で追い詰められた登場人物たちの倫理観が揺らぎ、彼らの本性があらわになっていく様を描いたSF作品。

久々に刺激的で僕好みな映画。ディストピア風な謎めいた設定と先の読めないストーリーが面白くて集中して観てしまった。
作中の前提条件や登場人物の心理、目的などが次々と変化していくところも意外性があったし、主人公と同部屋になる相手もひと癖もふた癖もある個性的な面々で楽しめた。最後も意味はよくわからないが謎の感動があった。吹き替えで観てると途中からセリフのほとんどがパンナコッタになって
(^^)
ただ、アイデアは面白いのだが細部の設定や脚本がすごい練られているわけではなく、演出とスピード感で乗り切ってるかなあとも思ったり。ん?と思うシーンも多かったし、何よりもかなり攻めているグロい場面と不衛生な食事シーンに拒否反応起こす人は多そう。解釈の分かれそうな曖昧な描写も多くモヤモヤすることもあった。考察好きな人にはピッタリな作品かと。

もし、作中の世界がコロナ禍だったら施設内で感染者続出しそう......
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