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花束みたいな恋をしたのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

それぞれ終電に乗り遅れた大学生の男女が偶然出会い朝まで時間を潰すことになる。風変わりな感性を持ち趣味も合う二人は恋に落ち、大学卒業後に一緒に暮らし始める。この暮らしの現状を維持したいと願う彼らだが、就職したことを機に気持ちのすれ違いが多くなっていって......という話。
「東京ラブストーリー 」などで知られる坂元裕二脚本の恋愛映画。主演は菅田将暉と有村架純。脚本はこの二人が主役を務めること前提で書かれたらしい。

平凡な大学生二人の出会いと約5年の同棲生活を追った話で、ドラマティックな展開はほとんど無いものの、主人公たちのぎこちなくも可愛らしくやり取りが微笑ましくて幸せな気分でずっと見守っていたくなるような作品。
二人の独特な語り口のモノローグが特徴的でひきこまれた。少しマニアックな趣味を持つ彼らが同じタイプの相手と巡り合って距離を縮めていくところが魅力的に描かれていて、楽しかった。
しかし、仕事の忙しさがきっかけにすれ違いが生じ始める後半は一転して重苦しいエピソードが続く。前半との落差が激しく、少しソフトな「ブルーバレンタイン」のような作風だなあと感じた。別れの場面の主演二人の演技は本当に素晴らしく、お互いに「楽しく笑顔でさよならしよう」と振るまう姿がとても悲しかった。ただ、別れた後も引っ越すまで三ヶ月を仲良さげに同居を続けていて、とてもほっこりした。
ほとんどカップル二人の話なのに、脇役の出演陣が本当に豪華。押井守監督が本人役で出ててビックリした。

かなり人間性が似ている二人だが、お葬式のエピソードなど所々で男女の受け取り方の違いが垣間見られて興味深かった。
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