真っ黒こげ太郎

ウィンタースキンの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ウィンタースキン(2018年製作の映画)
2.7
二度と脱出できない…。
(イカレババアの所為で)



父親と一緒に雪深い森の中へ鹿狩りにやってきた青年ビリー。
父親とはぐれてしまい、ふと小屋を見つけると足を銃で撃たれてしまい…。

ビリーが目を覚ますと、小屋に住む怪しい老婆アグネスに看病されていた。
何でも12日前から周囲に皮膚のない凶暴な怪物が出没するようになり、猟銃を持ち周囲を警戒していたとの事。

夜も遅いし足も怪我してるので、小屋に泊まることになったビリー。
老婆がどっからどう見てもヤバそうなのでビリーは逃げ出そうとするが、老婆はビリーに執着し「息子」として監禁し始め…。




とある青年が異常な老婆に恐ろしい話を聞かされ、それを口実に家に留まらされ続けるサイコ・ホラー。
監督は「ブラッドムーン」のチャーリー・スティーズ氏。

同監督の「ブラッドムーン」が血みどろ映画としては中々見どころのあった部類なので、こちらも血みどろ目当てで鑑賞したのだが…。


ジャケの感じからてっきり山小屋でモンスターと戦う映画かと思っていたら、実際はヤバい奴に監禁されて酷い目に遭わされる、監禁系のサイコ・ホラーでした。
一応、皮膚のないジャケ通りの怪物はいるっちゃいるんだが、ぶっちゃけ一匹しか出てこないしその正体も肩透かしだ。
(ジャケットで連想される様な籠城戦や銃撃戦は出てきません。畜生!)


一応本作は本筋に入るのが早めで、意味深な冒頭を得てすぐさま主人公が監禁されて、キチガイ老婆にヒデェ目に遭わされる展開に移行してゆく。
が、その後は老婆と主人公の会話劇がメインになっていくのだが、この会話劇が何とも長ったらしく面白みに欠ける出来。
一応、死んだ老婆の飼い犬のシチューを喰わされたり、主人公が逃げる為にアレコレ捜索したりするが、正直さっさと外出て逃げろよと思った。
(一応夜に出て寒くて逃げられなかったシーンがあるけど、それなら後で晴れたときに逃げればよかったやん。)
監禁しているババアも銃は持ってるけど、大して強くもないので最初から主人公が挑みかかればアッサリ制圧できたんじゃないのか?
(結局、老婆になすがままされてズタボロになっちゃうし。)

お目当てのグロシーンも殆ど血糊オンリーで、精々皮を剥がれた犬の死体が出てくる程度。
皮膚のない血まみれの怪物に襲われたりするが、着ぐるみなのがバレバレだし、倒され方も銃で撃たれて血を出して倒れるだけ。
一応それを補うためか登場人物がしょっちゅうゲロをぶちまけたりする、ってそっちじゃねぇよ!

そんなこんなで期待していたグロやモンスターとの戦いが全く拝めないので、ぶっちゃけ期待外れでした。


ただ、後半では多少持ち直しており、怪物の戦いを得た後で主人公によって真相が明かされる場面や、老婆がショットガンをぶっ放して大暴れする血みどろなクライマックスはそれなりに面白かったですね。
ある程度予想できたとはいえよく分からない冒頭や血まみれの怪物の正体が一気に明かされる。
そのまま色々あって血塗れなクライマックスに進んでゆく展開も悪くなかったですね。
(因みにクライマックスで助けにくる老人達がいるが、こいつらが全くの役立たずで、アッサリ皆殺しにされる。w)


まぁ、終盤で持ち直すとは言え相変わらずグロは殆ど血糊便りなのが残念だ。
ショットガンでバカスカ撃たれて血まみれになったり、指や舌をチョンパする場面こそあるのだが、あの真相でこのタイトルなら、皮を剥ぐシーンを入れなきゃいかんだろうに!!!
血はバンバンでるのだが、それでもスプラッター映画としては消化不良でした…。
(同監督の後のグログロ映画を先に見ちゃったのがマズかったか…。)


低予算なりに血生臭い雰囲気を出そうとしてるし、意外な展開を入れてサスペンスを盛り上げようとする要素は買えるのですが、それでもお目当てだったモンスターやグロゲロ方面で食い足りないのでオススメはしません。
まぁ、TWA配給の配信スルーと言っちゃえばそれまでだけどね…。

見所自体は無くはないので、キチガイババアの大暴れやサスペンス要素を目的で見れば見れなくはない…かどうかは知りませんが(ハッキリせいよ!)、それでも見たいって人は自己責任で。