水面を覗くと見える街、人々、風車、乳牛、家。
そういった水辺にある豊かさ。
豊かさは水から生まれ、水とともに在る。

　水に反射した映像。単純だがこうして映像作品として観ると非常に興味深い。ハープの音がまた絶妙にマッチしたこの作品は、癒し効果抜群である。

　風車によって反転するカメラ。ちゃんと反転した映像であることを律儀に説明してくれるところが教材ビデオっぽい。それもそのはずというか、そうした純粋な眼差しが今作品にはあるように思える。例えるなら、ディズニー映画のような動植物や建物への愛情がこの短編にはある。思うに、ディズニーがしたことはこうした意思を持たないものに意思を授けることだったのではないだろうか。彼らは水辺の歪みで自ら意思を持ったかのように動き出す。建物や車が歪んで動くのはカートゥーンの世界そのものだ。ディズニー以外にもフライシャー兄弟のアニメーションのような面白さもある。

　また非常に牧歌的な風景に心癒される。歪んだ像はノスタルジーを喚起し、音楽の音色がその自然の美しさを強調する。特に蓮が雲のような役割をするシーンは夢のようなイメージで非常に綺麗だ。非常に親しみを持てる映像であった。

面白い！発想の勝利ですね

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