あまのかぐや

マシニストのあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

マシニスト(2004年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

クリスチャン・ベールの肉体改造が一番のみどころ、という映画。
サムネイル画像の、あの鳥のような写真が怖すぎるんで、ずーっとHDDの片隅に置きっぱなしで手を付けられなかったんですね。

主人公は1年近く眠れない骸骨のような男という脚本から、トレヴァー役のクリスチャン・ベール自発的に「よし!肉体改造!」と思い立ったというエピソードに頭が下がる思いです。まじめな人なんだね、ちゃんべ。お疲れ様でした。

ストーリーとしては、ラスト思ったほどの驚愕ではありませんでした。徐々に明かされるハングマンのメモの解明がもう少しからんでくるかとおもいきや、それほど活かせているとも思えず。謎の男アイヴァンのルックスも不気味だし(あの手!)、そのほかいろいろ思わせぶりな不気味な小道具を伏線として散らしているにも関わらず。

冒頭からじわじわと恐怖感を盛り上げていく演出とBGM、そしてモノクロにも見えそうな思いっきり彩度の低い映像は良かった。主人公の職場での出来事(勤めていないはずの男が見えるとか、旋盤機械でのあれこれ、ひーっ!!!)や、遊園地のくだりはそのへんのホラーよりも怖かったし好みではあります。目が離せない。

けど、ラストの真相としては使い古された感があり、この手の映画を見慣れていれば途中でそれと気づいてしまうかも。

最後のネタばらしをみたあとも、追い詰められた果ての、本来は気の小さい、良心ある小市民だった、と。「そうでしょうそうでしょう」としか思えないのですが、とりあえず眠れてよかったね、と。あまりにありがち過ぎて、もうひとどんでんあるんじゃないか、と思ってしまった。

肉体改造といえばマイケル・ファスベンダーの「ハンガー」も壮絶でしたが、この主人公、ときどきそのファスベンダーに見えることがあった。でもラストの収束はこの「マシニスト」のほうが、それでもまだまだ救いあるまとめだし、映画としても、良い言い方をすればわかりやすかった。

思いっきり巻き添えな感じがする気のいい娼婦(ジェニファーJリー))がかわいそう。
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