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サイコ・ゴアマンのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

幼い兄妹は遊びの過程で地底に埋められていた宇宙人を蘇らせてしまう。地球を滅ぼせるほどの強大な力を持つ宇宙人だが、一緒に埋められていた謎の宝石を妹が手にしたことで彼は妹に逆らえなくなってしまい、サイコ・ゴアマンと名付けられる。
一方、サイコ・ゴアマンの復活を感知した宇宙の支配者たちは彼を再び封印すべく地球に向かっていた......という話。

特殊メイクやSFXなど アナログな技術をふんだんに使ったB級SF映画。日本の特撮好きな人の感性に響きそうな作品。

妹を演じた女優さんの破天荒なキャラが物語を引っ張っていた。誇り高く格式ばった語り口で本来なら恐怖の対象であるサイコ・ゴアマンたちを、主導権を握ったヒロインが思いつきと願望のままにかき回すドタバタ感が楽しかった。いかにも特撮の悪役的な宇宙人のバリエーション豊かな造形も親しみがわいて惹きつけられた。
極めつけはクレイジーボールという謎の球技。ドッジボール風なのにつっこみどころ満載な謎ルールが多く、命がけな決戦の際に大人らと宇宙人入り乱れて大真面目にこの珍妙なスポーツで戦うクライマックス場面は笑かせてもらった。まあ、不謹慎な悪ノリが全編続くし合わない人にはとことん合わない映画かもしれない。

海外のB級作品なのに観客席が割と埋まっていて驚いた。上映後は「血を吸う粘土」の梅沢監督さんと出演女優の黒沢あすかのトークショーがあった。映画祭で知り合った本作の監督から直々にオファーがあって本作に声の出演(日本語セリフ)をはたしている。そういえば血を吸う粘土の特殊メイクのクオリティも本作に負けないくらい高かった。

出番が少ない主人公兄妹の親友の男の子が一番可哀想......
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