Jaya

親愛なる同志たちへのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

フルシチョフ政権下、ノヴォチェルカッスクの暴動の中で行方が分からなくなった娘を市政委員の特権階級リューダが探すお話。腕の入れ墨は何だったんだ?

カットごとは美しかったですが、その雰囲気と話が全く合ってない印象。モノクロ撮影の意図は分からなくもなかったですが、どう考えてもカラーの方が良かった気が…。コメディのような間合いのカット割りも好きでしたが、話とは合ってない。前半の暴徒の様子も何だかなあ。

モーレツ左派のリューダの演技は上手いけれど、脚本上の無理を全て背負わされている感じで、それ故に情緒不安定でヒステリカルで融通利かないイカれたババア化していて理解し難い動きが多かったです。娘を探しに行く流れなんか特に。コスプレ親父はいい味出してました。

旧ソ連の生活の様子は興味深かったのですが、スターリン懐古は現状耳に入るネオスターリニズムの流れを反映したものか判断が付かず釈然としない。いきなりメッセージ性が出てくるラストも興醒めでした。その前にもどうせ生きてるんでしょ、としか思えなかったですし…。

当時の生活感や権力の距離感の演出は体験者ならではで、独特の浮世離れした雰囲気が楽しかったのですが、主題がブレていて、何より肝心のリューダの残念さが気になってしまった作品でした。
Jaya

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