マッスル入道

整形水のマッスル入道のネタバレレビュー・内容・結末

整形水(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

情報が頭の中でとっ散らかっているが,つまり誰かに愛されたくてたまらなかった主人公は,実は最初から(親に)愛されてたし,今後は永遠に宿主(?)に愛されるので,生まれてから死ぬまで一生愛され続けるから,実は最初から最後まで悲願達成してたってことになるのだろうか。えーと,よかったね???

展開の繋ぎがいちいち雑で,起承転結も無理やりすぎてそこは全然納得いかないし,主人公の性格の設定が不安定で,どう捉えたらいいか分からない。理不尽な扱いや謗りを受けて怒りを滲ませる姿は,人間というより獣だったので,共感しづらかった。なんか爆発しそうで怖かった。

まぁでもハッピーエンド?なのかな。好きな相手と身体を共有するなんてそうそうないからな。いやまぁ多分もう好きじゃなくなってるけど。でも愛されてはいるようだしね。

しかし他人の体内で複数の意思を持ったパーツが共存してるってすごいな。なんかこう,そのメカニズムを利用して画期的な医療技術が生まれそうだ。

映画の主題にあるであろう外見の良し悪しに触れるとすれば,外見の整い具合が異なると,見える世界は全く別なものであろうと想像する。理不尽な扱いとまでは行かないにしても,見た目がいいとそうでないの間には,すごく厚い壁があると思うのだ。多分それは,外見のいい側の人には見えない壁だ。その,周りには見えない壁を自分だけが感じながら生きていくのは結構辛いだろうと思う。愛される要素は見た目だけではないけど,見た目が優れていて愛されるハードルが低ければ,卑屈になる機会が激減するだろうから,性格にも影響し,なおさら愛されやすさに格差が広がるんじゃないかな。自分の見た目を気にしない人は気にしないだろうけど,気にする人にとっては本当に深刻な問題なんだよな。
……みたいなことが,もっとうまいことやればもっとシンパシーを伴って伝わったんだろうけどなぁ。いかんせん主人公の性格が傲慢だったり悪意に満ちていたり……なので同情が難しかった。

あと私はあの豪快に食べ物をむさぼる主人公の姿,好きだったけどな。勇ましくて。元気が出るよ。
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