Shingo

ザ・スイッチのShingoのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

B級映画には違いないが、その中でも良くできた方。
正直、ラストシーンを見るまでは「まあまあかな」という感想だったが、最後に親子3人で殺人鬼を仕留める場面が最高で、評価が爆上がりした。

設定としては、昨年のドラマ「天国と地獄」に近い。だが、こちらの殺人鬼はホラー映画らしく、のべつまくなし殺しまくる。そのペースで殺人を繰り返してたら、街から住人がいなくなるだろ!ってくらい止まらない。
仮面をかぶってモロに「13日の金曜日」オマージュだったりするが、なんか殺し方をいちいち工夫してくるあたり、むしろホラー映画あるあるネタで笑わせにかかってくる。頭をテニスラケットで串刺しとかw
あと、せっかく隠れたのにすぐ逃げようとして、やっぱり見つかるというお約束。ビーバーの足を履いたまま逃げる姿は、「ガンズ・アキンボ」のダニエル・ラドクリフを思い出した。

前半は普通にホラーテイストだが、ミリーと入れ替わったところから、あからさまにコメディに転向。大男が女の子走り、シャワーを浴びて頭にタオルを巻いたり、ついには車の中でラブシーン・・・。男女入れ替わりの定番をこれでもかとぶち込んでくる。定番なんだけど、それが恐るべき殺人鬼というだけで、こんなに面白くなるとは。

一方、殺人鬼と化したミリーも、なかなかの変わりっぷり。って言うか、何でこのおっさんの方が女子力高いんだよ!いやむしろ、男だからこそ、男を惹きつける格好がわかるというべきか・・・。
それにしても、なぜミリーがイジメの対象になるのか、いまいちわからん。ちょっと「キックアス2」のクロエ・グレース・モレッツみたいに見えなくもない。あちらはイジメ女子にゲロ吐かせてたけど。
イジメの理由がふわっとしているせいか、せっかくの仕返し場面がいまいちスカッとしなかった。
でも、ミリーは奥手に見えるけど、ティンティンをペチンペチンしてたあたり、実はそんなにウブではないよな。

入れ替わりのきっかけになる古代の短剣。マヤ文明の遺産とか、そんな感じか?レイダースからワンダーウーマン1984まで、ヤバめのアイテムは大体、マヤとかアステカ産だよね。ジョジョの石仮面とか。
儀式が完成しないと魂が入れ替わるって設定だったが、そもそも何の儀式に使われるものだったのか。あるいは、永遠の命を手に入れるため、他人の身体と入れ替わるための道具だったとか?

首尾よく元の身体に戻って、一見落着かと思いきや、やっぱり殺人鬼は死んでいなかった!超定番のラストと見せかけ、最後は母・姉と一致団結して止めを刺す!しかもキックで二度刺し!
ゲイの友人が黒人に差別ネタぶっこみつつ、最後はガールズエンパワーメントで締めるという幅の広さ・・・いや節操のなさ。ホラーをちゃかし、コンプラをちゃかす怖いもの知らずな一本。
不謹慎な映画が好物って人におススメします。
Shingo

Shingo