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シャドウ・イン・クラウドのhorahukiのレビュー・感想・評価

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)
2.2
クロエちゃん vs 零戦&グレムリン!

1943年。戦闘機のタラップ内に閉じ込められたクロエちゃんのほぼ一人芝居なワンチュエーション。男どもがクソみたいに役に立たない中、襲ってくるグレムリン&零戦にクロエちゃんがほぼ一人で戦うホラー×戦争映画。

映画版『トワイライトゾーン』のジョージミラーによる第4話『2万フィートの戦慄』を思わせる設定。暗雲の中、機体に「何か」がいる…。本作の共同脚本家のマックスランディスは、あのジョンランディスの息子で、パパも参加した『トワイライトゾーン』の中の一編にオマージュを捧げてるのはパパ愛なのか、バカにしてるのかは不明…😅あの映画でパパさん大変なことになったもんね。

何か(グレムリン)は一切のタメもなく速攻で襲い掛かってくるため『2万フィート…』のようなホラー的面白さはなく、閉じ込められ抑圧された状況下でも真正面からグレムリンと戦う強い女性像を意識した作り。更には自分を女性という理由だけで(性的にも)見下してくるクソ男たちにも弱さを見せずに立ち向かう。

『エイリアン2』のリプリー像を反復している感じで、実際にクロエちゃんもかなりムキムキ?になってて、クライマックスあたりとかマジでリプリーかと思うくらいのビジュアルだった!

「真に強いのは女性!男は何の役にも立たない!」っていうジェンダー思想をゴリ押しした脚本を執筆したのが、多数の女性への性的虐待で告発され大問題になったマックスランディスだという皮肉が多分本作の一番面白いところ。ランディスのものからリライトしたらしいのだけど、最近の映画で描かれる「強い女性」ではなく、なんというか気持ち悪い描かれ方をされてるように感じた。

私は女性の強さを描く映画は大好きだし、だいたい高評価しちゃうけど、これは流石に前時代的に思えてそのあたりに妙にランディスが書いたという説得力が生まれてるな〜って感じた。フィルマの脚本家欄が空欄なのが何か意味深…。
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