ヴィムヴェンダース監督作
ブルーノガンツとデニスホッパー共演。
ヴェンダースらしいコントラストの強いカラーと音楽をあまり使わずに、ストーリーよりも言葉を見せる詩的な演出。
しかし、全編に漂うブルーノガンツの悲壮感とヒリヒリするようなスリリングさ、そして中盤、列車内の怒涛のアクションサスペンス。ある意味、空気が緩む瞬間が無いため、作品に没入して見てしまった。
地下鉄、拳銃、暗殺というモチーフの展開はアメリカンニューシネマへのオマージュ。チャールズブロンソンの「狼よさらば」、デニーロの「タクシードライバー 」をブルーノガンツでヴェンダース調でやってみたっていう感じ。
もちろん、デニスホッパーは「イージーライダー」の挿入歌を口ずさみ、最後の最後まで登場する重要なキャラクターに「理由なき反抗」の監督ニコラスレイを起用というところから、ハリウッド映画、特に反動的な作品に強く影響、オマージュを捧げていた。
そして、そのアメリカ的なモチーフからの解放がこの映画の結末なのだと思う。