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私は決して泣かないのbackpackerのネタバレレビュー・内容・結末

私は決して泣かない(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

【備忘】東京国際映画祭2020 2本目
ポーランド映画を見るのは初?

緞帳のように厚い雲が覆い、終始どんよりとした空気感の漂う映画。ポーランド、アイルランド、どっちの国にいようと変わらない。主人公の苛立ち同様、晴れることはないのだ。
徹夜で飲み明かした後に見た浜辺の夜明けですら、何の足しにもなりゃしない。
出稼ぎ先で死んだ父。親子らしいことなんて何もない。そもそも、何も知らないのだ。
何も知らない父親が、何も知らぬまま死んでいき、後始末のためただ1人、異国の地で右往左往する17歳。
冷淡な異国にイライラ、母親の小言にイライラ、遺体の帰国で3500€もかかる現実にイライラ、そもそも運転免許の試験に3回も落ちてるんだから、これ以上イライラさせないでくれ!
私のために残してくれた金はないの?なんて方々駆け回り、挙げ句の果てに「典型的なポーランド人だ」などと貶される。
畜生!何でこんな目に!
色々考えさせられて、ようやく帰国。
霊柩車で、父の遺灰と共に勝手にドライブ。
胸の支えが取れた。父よ、なぜ死んだんだ。

親子の対話は能動的に、須く物事や機会は、いつ失うかわからない。
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