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絶叫する地球 ロボット大襲撃のhorahukiのレビュー・感想・評価

3.4
奴隷化する人間への警鐘!

地球は絶叫する素振りも見せないSFホラー。列車は脱線。飛行機は墜落。車も衝突。そして街は倒れた人で溢れかえってる…。災害か?新兵器か?人々が原因不明の何らかの力によって死に絶えた無音の街で、何故か生き残った数名が襲い来るロボット&ゾンビの群れとサバイバルバトルを繰り広げる!

ハマーフィルムの重鎮テレンスフィッシャー監督が、ハマーを離れプラネットフィルムで撮ったSFシリーズ3部作の1作目。もともと低予算なシリーズだけど、他2作よりも圧倒的に金かかってない感が凄くて、それでもそれなりに面白く仕上げてしまうのが流石のフィッシャー監督!

ジャケにもなってるクソダサロボットがサイコーで、どう考えても宇宙服着た人間にしか見えないんだけど、作中でも宇宙服着た人間に間違えられてて笑った🤣低予算なことへの自虐なのかな?それかガチでやってる??なんかビーム出してるし笑

俯瞰視点ではなく、あくまでも登場人物の等身大の視点を最後まで貫いていて、彼らが観測する部分だけを映画として切り抜いたような作品。だから、侵略(なのか何なのかは不明)の始まりも終わりも見せず、その規模や全容もサッパリ不明のまま、ミニマムに自分たちが助かるためだけの対症療法的な物語。

『未知空間の恐怖』と同様に無音の使い方がうまく、文明としての「音」が無くなることによって異常事態を演出している。ゾンビ…とは言ってもやってることは『ボディスナッチャー』に近くて、映画外にあるのであろう基地の存在からもハマーの『宇宙からの侵略生物』からの影響が強そうに思う。超簡易的に他国(他文化)からの洗脳と価値観的侵略を扱い、資本主義的な消費社会の無価値化へと舵を切ってるあたりにもボディスナの影響は強そう。

正直大した作品ではないけど、60分ちょいだしサラッと不穏なSF作品見たい時には丁度良い感じの作品でした👍
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