このレビューはネタバレを含みます
ペルー先住民ヘオルヒナが出産直後に子どもを盗まれその話を新聞記者ペドロが追うお話。少し映される先住民のお祭りの様子が印象的でした。
養子縁組を目的とした嬰児誘拐を軸として、先住民族の貧困テロあるいは同性愛といった、ペルーの近現代史を貫く諸問題が煮詰められた構成。
登場人物を絞り相当ミニマルに仕上げられていたのには脚本の力が感じられ、撮影手法も奏功していたように思います。
ヘオルヒナやペドロなどはハマっていましたが、強烈なインパクトを与えてくれるほどではなかったです。俳優イサとペドロの同性愛は絶妙な演技だったと思いますが、イサ自体必要だったのか微妙。
嬰児誘拐という何ともグロテスクな出来事で、かつ事実ベースということに目眩すら覚えるのですが、それを抑制的に描くことに対して色々と考えさせられる、スキャンダラスな作品でした。