FPS視界を映画化したとんでも企画『ハードコア』の監督イルヤ・ナイシュラーと、『ジョン・ウィック』の脚本家デレク・コルスタッド&制作デビッド・リーチがアッセンブルして出来上がったのは、冴えない中年親父が暴力の化身となってロシアンマフィアを血祭りに上げる、特大ぼんくらバイオレンスアクション映画だった！！
およそ文句のつけようがないほどありきたりなアクション映画ではありますが、叩き上げの午後ロード主義者からすれば、まるで故郷かのような居心地の良さに、安心感しかありません。
主演のボブ・オデンカークは全く存じ上げず、彼の出演作品を眺めていたのですが……『ケーブルガイ』！『ドクター・ドリトル2』！！『極秘指令 ドッグ×ドッグ』！！？完全にコメディ畑の人じゃないですか！
まあ、見たことあるのがこの3作（どれも見たのはだいぶ前）だけなので、演技派なのかわからんのですが、少なくとも、アクション俳優路線はなんとかなりそう！
このままじゃんじゃんアクションに出よう！！
作品自体は、まーとっても堅実な作りです。
例えば、退屈な日常をぶち壊してやる！と鬱憤を爆発させたハッチの猛進は、前半しつこいくらい繰り返した、フラッシュバックカットによる「何気ない日常」演出の賜物に代表されるような、丁寧なお話作りですとか、『ジョン・ウィック』と殆ど変わらない色味や画作り等は、正直パッとしません。
でも、それくらい手堅くていいのよ。それでこそ、娯楽映画なのよ。
このまま続編シリーズがジャンジャン作られておかしくない作品でしたし、一部では『ジョン・ウィック』ワールドに合流するなんて話も出てますので、オデンスキーおじさんが怒れる中年親父節をかまし続けてくれることを祈っています。
