シムザスカイウォーカー

ハウス・オブ・グッチのシムザスカイウォーカーのネタバレレビュー・内容・結末

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

"GUCCIと結婚した女"

観賞後にパトリツィアのことをそう思った。ガガ様がインタビューに「純粋に恋に落ちた女性だと信じて演じ始めることにした」と語っていたけど、パトリツィアが恋したのはGUCCIなんだろうなぁ。

パトリツィアがマウリツィオに電話番号を教えるシーンがとってもお洒落だから、まだ観てない人はそこに注目して!オトしたい男がいるなら、真似するしかない!ただし、相手がバイクに乗ってる必要があるけどね!←

出会いの瞬間からパトリツィアの野心はダダ漏れ。GUCCI一族の孫と分かれば、今迄幾度となく女性からのアプローチもあったと思うがマウリツィオはパトリツィアの猛アプローチにたじたじ。マウリツィオの女性に不慣れすぎる姿ときたら…🤦‍♀️(アダムドライバーファン必見)

その点、父のロドルフォは人を見る目が卓越していた。パトリツィアと一度食事をしただけで全てお見通し。長年、富や名声に群がる女性たちを見てきたからなのか…。弟のアルドは気のいいおじさんだったけれど、兄とは違いブランドの尊厳よりも販路拡大路線。

パトリツィアが結婚するや否や、GUCCIの経営に積極的に関わろうとして一族に拒否され部外者扱いされてしまうが、アルドやマウリツィオよりも、GUCCIの尊厳を守ろうとしていたのはパトリツィアの方だったというのが皮肉的。

その点、GUCCIの伝統的なデザインや経営を守ろうとしていた、父のロドルフォとはパトリツィアは実は手を組めば良いパートナーになり得たのかもしれない。

幼馴染のパオラと再会したマウリツィオが、彼女に惹かれてしまったのって、やはりパトリツィアとは育ちの違いを感じてしまったからなんだろうか。それにしてもマウリツィオは踊る女に弱いのだな。。笑

知識や教養がなくとも、愛嬌と世渡りのうまさだけで、GUCCI夫人にまで成り上がれたのに、彼女が選んだ結末がとても打算的で驚いた。勝ち気な性格がそうさせたのか…?

序盤では占い師ピーナの言うことに従順だったパトリツィアが、最終的にはピーナのことも凌駕し駒にしていて、やはり歴史に名を残す悪女は格が違う。

本編ではカットされたけれど、ピーナとパトリツィアのセックスシーンも撮影されていたとか。これが円盤になった時に未公開映像としてリリースされたら、かなり話題になるんだろうなぁ。。

パオロ役のジャレット・レトの変貌ぶりにも度肝を抜かれた。途中までへんてこりんなおじさんだな〜わはは!と思っていたのに…特殊メイクとジャレットの演技に大拍手!!!よくよく見ると瞳のキレイさはそのままでした!

そらから、煙草吸いながら「Father, Son and House of Gucci(父と子とグッチ家の御名において)」と十字を切るポーズをするのカッコよかったので、何かを誓うときは私もそうする。

レディー・ガガが俳優に転身すると発表した時、私は「歌の才能があるのに残念だ…」と思った。なんとなく『アリー/スター誕生』も観に行かなかった。

でも今作の予告を観て、いや、予告を観ただけで、ガガ様は自分の才能に気付いていたんだなぁと深く納得したし、絶対に観にいかなきゃ!と謎の使命感に駆られた。想像を遥かに超えてガガ様の演技素晴らしすぎました!!!神はガガ様に沢山の才能を与えられたのですね…