このレビューはネタバレを含みます
高知県の自然豊かな場所に住む、何もかもうまくいかない女子高生すずが、仮想空間で才能を発揮し華々しく活躍する、けどここまでの話はまだ序章だ。
すずの親友ヒロちゃんが、SNSを媒介して膨らみ続ける嫉妬社会を小気味良く説明してくれる。
お母さんの亡くなり方はなんともやりきれない。
母がなぜ自分を置いて行ったのか、私じゃなく見も知らぬあの子を選んで、という感情がリアルだと思う。
自身がアンベイルしても子供たちを助けたいと強く思う、そういう立場に立って母の気持ちが初めて理解できて。
人を助けたいと行動することで、すず自身が救われ、そして殻を破ることで周囲の温かさに気づくのもよかった。
中村佳穂さんの歌声の持つ果てしない透明感、強さと儚さと温かさにいつまでも浸っていたくなる。
そしてテレビでノーカットで流れていた冒頭の映像を改めて大きなスクリーンで観るのはただただ圧巻だったし、音楽にも浸れるので映画館で観れてよかった。