すばらしい
大先輩に褒められて小さくジャンプする若い踊り子、照明の人が作る麻婆豆腐、愛なんてないよ・そう？、みんなの恋人でいたい、彼女たちが干す小さいパンツ、バイバイうんち、頑張ってみようと思います、そして最後のハグ
印象的なカットがいくつもある　いくつもあるよ

恐らくミニDVテープで収録されたであろう画面の豊かさを再確認。最後の舞台を目前にした踊り子とスタッフたちが舞台裏の狭い廊下で忙しなく行き交う縦構図（このカットの序盤は画面奥でのやりとりが、後半では画面手前でのやり取りへと推移する）のワンカットはこのストリップ劇場空間の表象の仕方として素晴らしい。踊り子たちの舞台裏での準備、後片付けを中心に編集した今作では、画面の奥行きを意識したカメラポジションが度々選択されており、これは物理的に荷物が乱雑に置かれた狭い楽屋部屋を捉えるための一つの選択であろうと思われるが（もちろん舞台へ上がる/舞台から戻るまでの導線の確保にも貢献する）、それぞれのカットがモンタージュで組み立てられたときに良くも悪くもこの映画においてカメラが舞台裏で衣装を着脱する踊り子たちの空間へ気軽に近寄らまいとする倫理観が強調されすぎているように思える。その結果として、屋上で洗濯物をするプライベートな行為に身を置く踊り子を捉えたミドルショットは際立つことになるが、むしろこのようなミドルショットを数多の楽屋部屋空間とともに均等に並べるように、楽屋空間の踊り子を切り取る方が良かったんじゃないか。ドキュメンタリーである以上被写体をカメラに収める倫理は当然介入するだろうが、フレームを強く意識した中で被写体がややぎこちなくも日常的に振る舞う様子を多少なりとも作為的であれ見たかった。

ストリップには行ったことが無いだけに、こういう世界もあるんだなと興味深く観られた。