【悲劇】

※Netflixドキュメンタリー
※スコアはドキュメンタリーとして

もし、映画「フェラーリ」を観てレースに少しでも興味がわいた人は、このドキュメンタリー映画「シューマッハ」を観てほしい。

取り上げられるF（フォーミュラ）-1のレースシーンは、車載カメラのものも含めて迫力はおろか緊迫感も伝わるし、どれも僕の記憶に強く残るものばかりだ。

7月5日から映画「フェラーリ」が公開になった。
そして、７月８日、ヨーロッパの一部メディアが、トヨタがF-1に復帰する可能性があると報じた。

もし史上最高のF-1ドライバーは誰かと問われれば、間違いなく、僕はミハエル・シューマッハと答えるだろう。

個人的には、ホンダと黄金時代を築き、本田宗一郎さんに「もっと良い車を作るからね」と声をかけられ大粒の涙をこぼした音速の貴公子・天才アイルトン・セナのシャイなところや人間性がとても好きだ。
ただ、あらゆる逆境を跳ね除け、チームと車作りに忍耐強く参加し、レースでは緻密で天才的なドライビングを見せ、数々の記録を打ち立てたミハエル・シューマッハこそ史上最高のF-1ドライバーじゃないかと思う。

アイルトン・セナが、ナイジェル・マンセルやアラン・プロストを押しのけ名実ともにF-1界の頂点に上り詰めた時、アラン・プロストがまずフェラーリの改革にのぞんだが成功することはなかった。もはや、天才とはいえドライバーのテクニックや勇気だけで勝てるほどF-1は単純な世界ではなくなっていたのだ。

そして世代交代の予感のある中で事故死ししてしまったアイルトン・セナなき後、シューマッハがF-1界を事実上牽引することになるが、フェラーリは名声と人気が残るばかりで、レースでの結果が伴うことはなかった。

そこに、他のF-1コンストラクターに行けば、”たぶん”「より楽に」結果を残すことが出来たはずのシューマッハがフェラーリの立て直しも含めチームに加入してきたのだ。

エンジニアでテクニカル・ディレクターのロス・ブラウンらと共にだ。

そして、数年の困難な開発など地道にこなし、夜遅くまでスタッフやチームメイトと議論を重ね、自らの天才的なドライビングテクニックもあって、フェラーリF-1の黄金期を迎えることになった。

おそらく、シューマッハはスタッフを含めてチームメイト想いで、F-1はチームスポーツだと考えていたと思う。

ただ、ライバルに対してたまに見せたエゴイスティックなまでの態度やクレームは、チームの中で自ら悪役を買って出ていたのではないか。

F-1は、モータースポーツの頂点とされるが、危険極まりないレースだ。

そんな中で身体精神ともに削り取られ、引退を決意したとしてもおかしくはないだろう。

少年時代目をかけてくれたメルセデスのために一度復帰しても高いモチベーションを維持するのは困難だったのではないか。

シューマッハの妻が、レース中の大事故では何度となく守護天使が彼を護ったと言っていた。

ミハエルはキリスト教の三大守護天使のひとりの名前だ。

しかし、レーサー引退後のスキー場での転倒事故による頭部打撃骨折で現在は車いすの生活になり人とのコミュニケーションもままならない状況にあると言われている。

レース以外の場で守護天使はシューマッハを護ることはなかったのか。

シューマッハの家族にかける言葉は見つからない。

少しでも平穏な時を過ごせるように祈るばかりだ。

記録

今年4本目

F1の知識が無くても知ってる
名前

このギリギリの戦いは熱いなぁ、
生で見てみたい。通り過ぎるの一瞬やろけど笑