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僕とオトウト
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『僕とオトウト』に投稿された感想・評価

関西での上映も一区切りついたみたいなので。

『蟻の兵隊』『ルンタ』の池谷薫さんが主宰する映画塾の生徒さんによる48分の習作。
重い知的障害を持つ弟との関係を大学院生の兄が掴み直そうとするドキュメンタリーなのだけれど、流石にこの尺で語るのはどうなんだろう…。
というか語り切れるわけないよねえ。
そのくせ池谷さんとの益体もないやり取りのシークエンスなんかは挟み込んでるし。

撮り手の学生さんは博士課程には進まず、来年からTV(だと思う、違ってたらごめんなさい)で映像関係の給与生活者として生きるとのこと。
いやあ、確かに表現者の器では無いかな。
けちょんけちょんに言ってすみません。何しろ心ひそかにとっても期待していたものですから…。
悩ましく恣意的で悲しい

弟のことを知るためにカメラを向ける監督。
“自由”にさせると車に乗せてもらって寿司屋とびっくりドンキーに行き美味しそうに頬張るオトウト。ふいに弟が「パパは?」と聞くことで、家族とご飯を食べることを幸せだと見せる編集。
部屋中の鍵を開けたかと思えばオトウトがボヤ騒ぎを起こす。父親に怒りをぶつけてその後は見せない。
オトウトのことを知りたいと作中では言いつつも、見えてくるのは監督の恣意性と葛藤。福祉の立場から見ると、本人に許可を得ずに撮影してるだろうなと感じる時点で、この監督は何を勉強してきたのかと疑問に思う。映画としても、無理やり物語としてハッピーエンドにしようとする、撮ること・編集の暴力を感じる。

しかし、そんな私も自分の価値観を投影してしまう恣意性に気付かされた。見たいものを見ようとする観客としての暴力はまさに「深淵を覗くものもまた深淵に覗かれる」を気付かされる。

さらに監督の視点以外にも、母の視点や父の視点も伺える。オトウトの実習に対する母親と監督の眼差しは違う意味があったんじゃないかと感じる。

「せつない」「悲しい」と訴えていた監督が今後色んな経験をして、映画や障害学を勉強して、この映画をどう振り返るかがとても気になる一作。
知的障がい当事者のお兄さんが、おとうとのことをもっと知りたいという想いから作られたドキュメンタリー映画。

障がい当事者とそのご家族という視点ももちろんあるが、もっと普遍的な家族という関係性をとらえた作品だと感じた。
自分も家族との関係性やコミュニケーションついて内省するきっかけになった。

トークショーについて
映画の後に監督と関係者の方々のトークショーがあった。

トークショーで監督が語られた「ドキュメンタリー映画なので、当たり前ですけどぼくらは、これからも家族をやり続けていく」という言葉が印象的だった。

マイノリティを題材にした作品の届け方についても話が及び、こういう作品は当事者とその周辺にしか届かない。もっとその向こう側に届けていかねば。という話も面白かった。
今回でいうとぼくはその周辺の人にあたるのかな。

この件について、ぼくの中では「異文化と掛け合わせる」という答えがあります。
事実「僕とオトウトも障がいを扱った作品」×「現役大学院生監督作品」という異文化の掛け合わせを行なっているため、障がいを扱った作品だから観るという若者層の獲得に成功している様子。
逆にいうとぼくは障がいをテーマにした作品だから鑑賞して「若者にミニシアターやインディムービーを届けたい」という活動をしている大学生達のことを知った。

こんなふうにコツコツ異文化と混ざって広がっていくのが道だと個人的に思う。

障がい理解促進についても周辺から外へという課題がありますが、ぼくはエンタメと食と掛け合わせて、引き続きコツコツやっていく。
カルチャーを広めるという視点にも触れられた楽しい映画館体験となった。

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