マサキシンペイ

サイボーグでも大丈夫のマサキシンペイのレビュー・感想・評価

サイボーグでも大丈夫(2006年製作の映画)
3.4
精神病患者達のメルヘンチックな妄想、自らをロボットだと思い込んだ女性と、統合失調症で盗癖のある男性のラブストーリー。

登場人物の全員が奇妙な病癖を持っており、それらが際限無く繰り広げられるので、とてもシュールな仕上がり。

シュール。
本来的な、「手術台の上のこうもり傘とミシンの出会いのように美しい」シュール。
通俗的な、常套句に走らないお笑いの文法としてのシュール。

パク・チャヌクらしい、色彩感覚と構図センスに支えられた映像美を保ちながら、それでいてアクションがナンセンスなギャグとしても成立している。
二つの意味合いで「シュール」を感じられる。

観客に理解を促す親切心が殆ど廃され、それ故にまどろっこしさもなく、キレのある笑いに繋がっている。
しかしだからこそ、物語的な感動を生み出すプロットの積層構造が薄く、盛り上がりに欠けてしまう。
マサキシンペイ

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