しゅうさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.9

字幕版を鑑賞。『ワンダヴィジョン』は未見。

MCUはそもそも、『(ともすれば時代遅れの)アメコミの実写化を現代な観客に受け入れさせる』事に知恵と工夫を凝らし心血を注いできた筈。

ところが最近はすっ
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ロスバンド(2018年製作の映画)

3.4

字幕版を鑑賞。

GW最終日、観て疲れない爽やかな映画を選ぼうなんて日和った考えが良くなかったのか。

メインとなるバンドメンバー4人のルックス、佇まいや俳優の演技は良いが、各々のキャラクターの背景が
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続清水港/清水港代参夢道中(1940年製作の映画)

3.7

戦後改題された再編集版を鑑賞。

舞台演出家の千恵蔵が『森の石松』の舞台稽古を行なっていたが、上手くいかずにたまらずふて寝。目覚めてみると何故か自身が森の石松に。待ち受ける運命を変えようと悪戦苦闘する
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青いガーディニア/ブルー・ガーディニア(1953年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

誕生日の夜、出征中の恋人に手紙で別れを告げられたアン・バクスター。失意のあまり女たらしの画家レイモンド・バーの誘いに乗るも泥酔して前後不覚に。翌朝画家が死体で発見され、彼女は謎の"青
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.6

BDにて字幕版を鑑賞。

『ハーレー・クイン』もそうだったが、本来悪党としての魅力を放っていた存在を善玉化させる話には全く乗れない。

安心安全に漂白された主人公達が妙に悪ぶるのも、却って空々しい。
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アネット(2021年製作の映画)

3.5

字幕版を鑑賞。

アレックス三部作以来、何十年か振りのカラックス映画。

全編「なんじゃこりゃ」で作られている映画なので、退屈する暇は無かった(そもそも、こういう造り物然とした映画好きだし)。

でも
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オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

3.8

そしてキアロスタミはつづく デジタル・リマスター版特集上映にて字幕版を鑑賞。

キアロスタミ監督作は初めて。

素人役者を使っての台本無しの即興演出が特徴と聞いていたので、ドキュメンタリー的な生々しさ
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グラディエーター(2000年製作の映画)

3.7

午前十時の映画祭にて字幕版を鑑賞。

21世紀にこのスケールのローマ史劇を復活させた事は素晴らしい。

冒頭のローマ軍対ガリア人の合戦シーンやコロッセウムでの戦車や虎まで交えての決闘シーンなど、今の映
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地獄への逆襲(1940年製作の映画)

3.5

BSプレミアムにて字幕版を鑑賞。

『地獄への道』の続編を、今度はフリッツ・ラングが監督。

前作で裏切りによって殺されたジェシー・ジェームズ。ヘンリー・フォンダ演じる兄フランクが、仇討ちの為に立ち上
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地獄への道(1939年製作の映画)

3.8

BSプレミアムにて字幕版を鑑賞。

西部開拓時代の有名な無法者、ジェシー・ジェームズを描いた西部劇。

名前しか知らなかったジェシー・ジェームズの伝説のあらましがわかる親切設計。

大陸横断鉄道を敷設
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ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

2022年映画始めは韓流バイオレンス。

寡黙な元殺し屋を演じるファン・ジョンミンの、内に秘めた悔恨と幼い娘への愛情が伝わる佇まいは良かったが、対になるべき在日ヤクザのイ・ジョンジェ
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.1

恐らく、今年の劇場鑑賞納め。

最後にこの映画を映画館で観ることが出来て、本当に良かった。

やはり自分にとっては、映像の美しさや斬新さよりも、役者の台詞と演技によって産み出される劇的空間こそが大事で
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

主人公のエリーが60年代イギリス文化を愛する様に、自分もシネマヴェーラの特集上映が大好きな懐古趣味で、最新トレンドというモノには何時も懐疑的だ。

だが、『風と共に去りぬ』の背景に醜
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アンテベラム(2020年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

一幕目の早い段階で物語の構造に気付き、仕掛けとしては面白いが、あからさまに『ゲット・アウト』の2匹目の泥鰌狙いで、トランプ政権下のアメリカの社会状況の戯画化としては極端かつ陳腐だと感
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.8

評判通り、格闘アクションシーンはかなりの迫力。特に終盤のタイマン勝負はハイレベルな体技だけではなく、ジョン・ウィックばりのガン・フーから素手ゴロへの移行や逆転勝利へのロジックもしっかり考え抜かれている>>続きを読む

ジャズ大名(1986年製作の映画)

3.7

衛星劇場にて鑑賞。

筒井康隆の原作は未読。

序盤は物語世界の説明に追われて少々かったるいが、古谷一行演じる殿様がクラリネットを手にしてからは、文字通り映画が"踊り出す"。

終盤繰り広げられる、城
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ダウンサイズ(2017年製作の映画)

3.7

ザ・シネマにて字幕版を鑑賞。

今、巷で流行りのSDGsなんて結局現在の富裕層が未来永劫豊かであり続けたいという欲望の発露に過ぎず、貧困層は変わらず貧しいままだという社会の縮図を、SF設定を借りて描い
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

過去3作の"モンスター・バース"映画が、怪獣が出現して闘う必然性やそれに関わる人間達のドラマを一応は描こうと努力してきたのに対して、今作はそこは端から放棄している印象。

この雑さに
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豆大福ものがたり(2013年製作の映画)

3.4

サンクスシアター。

ショートケーキ、すあま、マカロン、せんべい、豆大福がおやつ大統領の椅子をめぐって総選挙で争う。

沖田修一監督ならではおかしみ溢れる世界は、この奇妙な設定の物語でも健在。

菊池
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スパイの舌(2008年製作の映画)

2.7

サンクスシアター。

スパイ映画の断片。

サスペンスを感じさせるシーン”のみ”を撮って繋ぎ合わせることで、より大きな物語を暗示する。

はめられてRoad to Love(2016年製作の映画)

3.5

サンクスシアター。

ライトなノリのお下劣ギャグコメディ。

映画美学校の学生映画なのに、何故かしっかり芝居の出来る役者が揃っているので、映画的な笑いがちゃんと成立している。

おとぎ話みたい(2014年製作の映画)

4.1

サンクスシアター。

『溺れるナイフ』が合わなかったので、山戸結希監督の感覚的映画は自分には向いてないと思っていたが、これは凄い良かった。

愛や若さを絶対的に美しく描いてみせる傲慢さは、滅多にない稀
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部屋/形態(1999年製作の映画)

2.8

サンクスシアター。

映像パフォーマンス的なものは殆ど観たことが無いのでこの作品の芸術的価値もよく分からないが、ドローイングの技術や労力を別として描かれたものが既存の部屋の文脈を塗り替えていく様な効果
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意外と死なない(1999年製作の映画)

3.4

サンクスシアター。

大九明子監督の映画美学校時代の卒業制作。

『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』でもテーマとされていた、表向きは立派に社会生活を営んでいるかに見える人間の、内に秘めた葛藤や周囲
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あとのまつり(2009年製作の映画)

2.8

サンクスシアター。

瀬田なつき監督作初鑑賞。

目当ての仲野太賀の出番はごく僅か。

最初から現実から浮遊したような詩的な映画は、やはり肌に合わない。自分の好みは泥臭い現実の果てに詩的な余韻の残る映
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ウルフなシッシー(2017年製作の映画)

4.3

サンクスシアター。

うっかり見逃さなくて本当に良かった。

『さんかく』で初めて吉田恵補監督に出逢った時のような喜びと興奮。

さえない男女のどん詰まりの日常の果ての痴話喧嘩を、こんなにも生き生きと
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お茶と真心(2017年製作の映画)

2.5

サンクスシアター。

売れないお笑いコンビ"スター&カッツ"は今日も大すべり。業を煮やした彼女は芸人を諦めるよう迫るが…。

横浜聡子監督作初鑑賞。

サイレント映画にした意味がよく分からなかった。

最低(2009年製作の映画)

3.3

サンクスシアター。

ある同棲カップルの彼女側に、ストーカーからの盗撮映像が届いた事で次々と騒動が持ち上がる。

「人を愛する」という事のある種の身勝手さと滑稽さが浮き彫りになっていく物語展開は面白い
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恋のクレイジーロード(2018年製作の映画)

3.7

サンクスシアター。

破滅型カップルの道行きに、恋する女装男が絡んでくる。

怖い映画が苦手なのでホラー畑で活躍する白石晃士監督の映画は今まで観たことが無かったが、成程腕のある監督さんだなと感心させら
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N.O.A.(2016年製作の映画)

3.2

サンクスシアター。

停車した車の中で、青年とちょっと変なAIとの噛み合わない会話から次第に事情が明らかになっていくワンシチュエーションサスペンスだが、主人公の背景を重くし過ぎたのが失敗。

1年間も
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シドニアの騎士 あいつむぐほし(2021年製作の映画)

3.6

原作既読。TVシリーズも全話視聴済。

『シドニア』の魅力は、様々なSF設定や各種ガジェットの面白さとハードな物語展開の合間に挟み込まれる日常ラブコメがバランス良く配分されているところで、TVシリーズ
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ザブングル グラフィティ(1983年製作の映画)

2.7

BS12トゥエルビにて鑑賞。

ファーストガンダム3部作やイデオン接触篇・発動篇の様な総集編映画を期待して観ると愕然とする。

一本の映画としての起承転結など全くない、TVの素材をただ切り貼りしただけ
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なんちゃって家族(2013年製作の映画)

3.5

ザ・シネマにて字幕版を鑑賞。

仲良し家族旅行を偽装するより主要登場人物のキャラ立ち優先の話運びなので、成りすましコメディとしての構造的な面白みは薄いし、かと言って代わりに繰り出される下品な小ネタギャ
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カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

4.2

ザ・シネマにて字幕版を鑑賞。

MGMでRKOの映画が掛かる。

ウディ・アレンより古き良き時代の華麗なる映画の世界への招待。

ミア・ファロー演じるセシリア同様に、甘美なる映画の夢にドップリ浸かった
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オスロ国際空港/ダブル・ハイジャック(1974年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

DVDにて字幕版を鑑賞。

テンポの良いサスペンスだが、最後に明らかになる事件の真相に無理がある。

ハイジャックが英国秘密警察によるテロリスト逮捕の為の自演ならば、スカンジナビア側にも協力して貰う方
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

ミュージカルの映画化としては、過不足ない良作。各俳優達の見せ場ナンバーが愉しい。

映画単体としてはやや冗長でカットしても良いナンバーもあったような気もするが、実際にそうしたら多分物
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