しゅうさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

しゅう

しゅう

映画(735)
ドラマ(0)
アニメ(0)

運び屋(2018年製作の映画)

4.2

字幕版を鑑賞。

近年稀に見る「いい気なもんだ」映画。

「老人がひょんな事から麻薬の運び屋になってしまう」という物語の設定は実話を基にしているが、主人公の人物造形はどう観ても監督・主演であるクリント
>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

3.6

2D字幕版を鑑賞。

「アベンジャーズ/エンドゲーム」への繋ぎ映画。それ以上でもそれ以下でも無い出来。

80年代という時代設定や、若き日のフューリーやコールマンが登場するところも上手く活かしきれてい
>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

自分的大傑作『ザ・コール [緊急通報指令室] 』と同じ様な設定という事に惹かれて劇場へ。

「音のみで推理するサスペンス」という当初のルールを忠実に守った展開が、単なる形式では無く実
>>続きを読む

アクアマン(2018年製作の映画)

3.8

2D字幕版を鑑賞。

話は超類型的な貴種流離譚。(なにしろアーサーでエクスカリバー伝説をやる臆面の無さ)

DCEU悪癖のしんねりむっつりは極力無しにして、場面も次から次へとテンポ良く移り変わるのは良
>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

おそらくは、故アームストロング氏とその遺族に配慮した為に、極めて静謐で禁欲的な語り口の映画に。

その結果、前2作で見せたチャゼル監督の(自分はこの人の美点だと考えている)あざといま
>>続きを読む

Theかぼちゃワイン ニタの愛情物語(1984年製作の映画)

3.3

日本映画専門チャンネルにて鑑賞。

テレビシリーズの1話分の分量で、劇場版ならではの特別感は無し。

押掛け女房と素直になれない男のカップルという面では「うる星やつら」と同じなのだけれど、こちらの主人
>>続きを読む

七つの会議(2018年製作の映画)

3.7

原作未読。

全員がトゥマッチな芝居をするこの物語の中でも、ひときわ異彩を放つ野村萬斎の見栄切り芝居。

それ単体としては悪くない、むしろ癖になる面白さなのだけれど、物語のテーマとはそぐわない。

>>続きを読む

マイル22(2018年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

マーク・ウォルバーグとピーター・バーグが「イコ・ウワイス超強い映画が観てぇ」という願望だけで作った映画。

ピーター・バーグ監督お得意の、現代のリアルでハードな対テロ戦争描写の中、シ
>>続きを読む

十二人の死にたい子どもたち(2019年製作の映画)

3.7

冲方丁原作は未読。

映画ファンとしては気になる若手俳優勢揃いの上、予告編から伝わる「密室殺人ゲーム」ではなく少年少女達の心情に入り込む内容だと聴いて劇場へ。

ミステリーの形式を取ってはいるが、その
>>続きを読む

ショックプルーフ(1949年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

ヒロイン・ジェニーの情夫で、主人公グリフの恋敵となるハリーの造形が中々面白い。

反社会的な碌でなしながらも、恋人ジェニーの仮出所を待ち続ける一途さも持ち合わせたこの男を加えた三角関
>>続きを読む

キャット・ピープル(1942年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

当時の精神医学的な知識も取り入れて、サイコサスペンスと伝奇ホラーの狭間で観客を惑わせながらの展開が見事。出来ればその謎を残したまま終わってくれれば、もっと良かった。

だいたい、「生
>>続きを読む

アタラント号(1934年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

サイレント映画的な伸びやかな身体表現とトーキーの絶妙なる融合。

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

過去の「ロッキー」シリーズ(特に1・5・ファイナル)がある種スタローン自身のドキュメンタリーだった様に、今作でもロッキー親子とドラゴ親子の物語には、スタローンとドルフ・ラングレンのこ
>>続きを読む

夜の人々(1948年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

主要な登場人物は、主人公である脱獄犯ボウィ、一緒に脱獄したリーダー格のTダブと粗暴犯のチカマウ。チカマウの姪のキーチとそのアル中の父親。そしてTダブの弟の妻で、収監中の夫の釈放に奔走
>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.1

字幕版を鑑賞。

大昔にクルーゾー版を観て多大な衝撃を受けた人間としては、認めるのは癪だが確かにコレは凄い映画だ。

クルーゾー版と展開を細かく変えているので、先が読めずにスリルが終盤まで持続する。
>>続きを読む

悪の力(1948年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

世界大恐慌後のアメリカの風俗映画、特に数字当て賭博という非合法賭博の成り立ちが描かれている点で興味深い。

早春(1970年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

初めてのアップリンクは、ロッキングチェア的な座席が座り心地抜群で嬉しい。

よくある「童貞拗らせ青春空回り映画」では、主人公はモテない、カッコ悪い、イケてないなど平均以下の存在で、そ
>>続きを読む

拾った女(1953年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

2019年初シネマヴェーラ。新春初上映より満席の大盛況は蓮實重彦人気か。

時局的な反共映画を手堅い娯楽作品に仕上げてみせる。

主要人物達が、皆スネに傷持つ人間に設定してある(スリ
>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

序盤は、ゆったりとした演出で描かれる雰囲気スピリチュアル・ストーリーに、その思わせ振りな音楽も相まって少々眠たくなる。

ところが彼女が家を離れたあたりから、物語は単なる一カップルの
>>続きを読む

シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2D吹替版を鑑賞。

近年、物語のテーマ設定とその解決や悪役の扱いに若干引っかかることも多かったディズニー映画だけれども、今回は凄い脚本が上手く嵌まっていたと思う。

「大事な友達と生きる道が別れる」
>>続きを読む

乱れ雲(1967年製作の映画)

3.5

「浮雲」より更に冗長に感じてしまった(実際にはこちらの方が20分程尺が短いのに)。

「浮雲」での高峰秀子と森雅之の駄目さ加減が魅力的なのに対して、こちらは加山雄三と司葉子が人間として真っ当過ぎるのが
>>続きを読む

浮雲(1955年製作の映画)

3.7

昔、岩松了の芝居で「浮雲」をシアターコクーンで観た事がある。確か話は二人が屋久島に着いて以降からだったような…。

とにかく、それ以来この映画の事は気に掛かっていたが、この機会に劇場にて初鑑賞(ちなみ
>>続きを読む

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

中東諸国に関する知識があまり無いので、イスラエル・パレスチナ紛争が両国間に止まらず、レバノンの様な周辺国家にも大きな影響を与えている事をこの映画で初めて知る。

内容については、この
>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.9

字幕版を鑑賞。

「グレイテスト・ヒッツ」ぐらいしか聴いたことのないクイーン初心者としては、入門編としてとても愉しめた。

全編を通じてクイーンの素晴らしい楽曲が物語に上手く嵌め込まれているので、一種
>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.6

『バーフバリ』が"恩讐と活劇のスペクタクル"であるならば、今作はさしずめ"自意識と妄想のスペクタクル"とも言うべきか。

しかも、松岡茉優という女優の現時点での総決算とも言うべき一世一代の大スペクタク
>>続きを読む

バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

4.5

字幕版を鑑賞。上映前に前作「伝説誕生」のダイジェストが付く親切仕様も嬉しい。

「物語」の持つ原初的な力強さを甦らせた傑作。

今、神話的な英雄譚を描くにあたって必要なのは、観客を驚かせるツイストの増
>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

ガガ様劇場を期待して観に行ったら、実際にはブラッドリー・クーパー オン ステージだったという感じ。

ガガ様は歌のパフォーマンスは流石なのだけれど、それ故最初から貫禄があり過ぎて、何
>>続きを読む

女は二度決断する(2017年製作の映画)

4.3

字幕版を鑑賞。

とにかく、ダイアン・クルーガーが凄まじい。

突然のテロにより夫と幼い息子を失った彼女が、絶望にのた打ち回る姿はあまりにも壮絶。普段、映画の登場人物には感情移入しない方だが、この映画
>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

4.4

近年、家族を描いた映画、特に親と子の関係について描いたモノに強く興味を惹かれて多くの作品を観たが、この映画はその中でも特に強く印象に残る一本。

なんといっても、前半でのこの擬似家族達の日常が、ホーム
>>続きを読む

GODZILLA 星を喰う者(2018年製作の映画)

3.3

SF的な設定や、セカイ系と文明論を合体させた様な物語展開はそれなりに興味を惹かれる。

ただ、三部作を通じてゴジラのガジェットとしての魅力が遂に感じられなかったのが致命的。

結果として「この話ゴジラ
>>続きを読む

日日是好日(2018年製作の映画)

3.8

茶道に関しては全くの門外漢だが、とても楽しめた。

何より、茶道教室の先生を演じる樹木希林さんが、茶道の「厳しさ」「美しさ」「不思議さ」「奥深さ」を見事に体現しているので、こちらも初心者の黒木華や多部
>>続きを読む

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

ミュージカルシーン単体はそれぞれ見事な出来。特に「THIS IS ME」は物語のエモーションと合致した出色の名シーンだった。

ただ、主人公バーナムの魅力がイマイチ。もっと興行師魂を
>>続きを読む

ヴェノム(2018年製作の映画)

3.4

2D字幕版を鑑賞。

ヴェノムに関しては『サム・ライミ版「スパイダーマン3」で観た事があるヴィラン』程度の認識で、アメコミについての知識はゼロ。

なので、原作コミックとの類似などについては全く分から
>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.8

「互いに干渉しない自由な関係」やら「何事にも捉われず、水のように拘りなく生きる男」の化けの皮を、最後にキッチリ剥がしてくれるのが良い。

ザ・アウトロー(2018年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

「ヒート」と「ユージュアル・サスペクツ」を足して二で割ったような映画。出てくるのが警察側も犯罪者側も全員むさ苦しい&厳つい男揃いなのが良い。

ただ「ユージュアル・サスペクツ」部分は
>>続きを読む

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

カンニングに関するサスペンス自体は、二人の秀才の超人的な記憶力と頑張りに頼るばかりだったが、様々な社会的事情を抱えた彼ら彼女らの青春ストーリーとして面白く観れた。

そして何より終盤
>>続きを読む