大人は子供を経て大人になるはずなのに、子供と分かり合えていないのは何故だろうか。それは個人のangerか、もしくは社会の変容が原因か。子供は大人の腹黒な醜態ばかりを見せられ続けてきたから、憧れられず、>>続きを読む
人間性と自由を取り戻した"商品"の物語。彼が露わにするのは、服を透さない本心。富豪に背を向けなければ伝わらない。
面白い、と感じてしまった。自由と幸せが必ずしもイコールで結びつかないことを知った。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
全てがおかしい。
彼女が轢かれたあの瞬間からずっと胸が痛む。実際観終えた僕は、家に帰るのも、横断歩道を渡るのも怖かった。だけど僕らはそうやって当たり前をこなしてきた。たまたま自分が通った瞬間に車も同じ>>続きを読む
「サイコー」は時に「Psycho」を内包する...
面白くないというよりも、興味がない。物語に興味が湧かないこの感じ。つまらないわけではなかった。"解放"される素晴らしさが若干子供騙しのように映った事>>続きを読む
「必ず迎えに行く」という誓いの軽さ。そこから始まる、30年もの鬱を体感する3時間。終戦後にも関わらず殺されていく仲間を観て心苦しくなる。
そしてこれは、もう今となっては"古い"すらある小豆の缶詰を、彼>>続きを読む
果てしない無秩序。出会い頭に残虐な拷問はもはや無法地帯。
目的は金を守る事のはずだった。金に目が眩むと人は何をするのか。因果応報の涯てとは言えど、こんなに人殺して大丈夫か?とも思うが、その命中がとんで>>続きを読む
まず前提として、サドベリースクールという制度に対してはかなりの違和感があった。漠然とした教育で、道徳が発達する事は大事だが、"学習"とは何か違う気がする。そこに集う子どもたちは学校にも通っていたりいな>>続きを読む
これを観たヤツならネットの全てを語れる、とかそういう訳ではない。だがとにかく「SNSに好意を向けてモノを発信するって残酷な事なのかもしれない」を感じさせる、そんなラストカットの絶望感に嵌められた。>>続きを読む
化け運持ちの二人が追って、逃げる。奥から追うワンショットが格好良い。主演のチン・ギジュは殆どを声以外で表現していながらこの存在感。
殺人鬼の元に成り立つ"静寂の恐怖"にはエンドロールまでビクビクした。>>続きを読む
「事実は小説より奇なり」が、小説でなら出来る。言葉も金も伝達し、騙し合いと防衛の渦へ巻き込んで行く。果たしてこの物語の中で、誰が誰を騙していたのだろうか...
硬派すぎて飽き飽きするような演出がタラン>>続きを読む
当初の予想と評判通り、改変が本当にキツい。"新生"と観れば少しは緩和されるものの、原作が好きな身としては再現度1%くらいのこの様には落胆した。
しかも、山田洋次監督の非現代性の露呈。今どき「あれは5年>>続きを読む
「キネマの神様」の予習まがい。
始まってすぐ、これは未見の「蒲田行進曲」ありきの映画だったか...と悟った。監督が違うけど、松竹の撮影所でその物語は繋がっている。
数シーンの撮影現場を通して映画撮影>>続きを読む
皆が同じ方向を見つめてる。何かに向けて嘆いてる。"映画"が始まる。
衝撃。そこにあるのは戦禍だけ。アイダ含め全員が強欲な"民間人の戦場"。安寧な立場からあの殺戮を観るのが本当に辛かった。どれだけ必死>>続きを読む
感想を書くのが難しい映画だった。僕も堀貝さんのようにとっ散らかった事しか喋れない人間だと思っていて、僕の感想が他人に共感されるのかさえ分からない。
そもそもこの作品がジャンルを纏わない、ただドラマチッ>>続きを読む
ほとんど予習なし。
村上春樹の原作に"映画内演劇"というオリジナル要素、という時点で少し知性的な隔たりを感じてしまいそうだが、中身は誰でも魅力の対象にできる良い映画だったと思う。こういう作品にありが>>続きを読む
「諸々の罪穢祓い禊て清々し 狼蘇山より疫病退散の果て 野辺送る道」...
もう之を聞くのは三回目だ。言葉を覚えてしまった。
このあっけなく過ぎ去った二十六分に、何を学べるかが試練。汲み取れなければい>>続きを読む
これはサクセスストーリー、だったのか?
信仰するかのように飲酒にこだわり始めた男たち。その行く末が想像以上に深刻で、コメディを期待してたらとんでもない痺れを喰らった。ラストの哀愁は、人間讃歌すら語って>>続きを読む
半年前、劇場鑑賞を断念した映画。映像美は予想以上に保障されたものだったので、本当に映画館で観ればよかった。
まぁただストーリーがクセモノというか、事件に対しての"性に対する自分勝手な共感"をずっと弁護>>続きを読む
そういえばこの夏休み、社会科の人権作文と国語の弁論、二つの意見文的な課題に追われて、ずっと「"普通"という枠に縛られる事によるしあわせ」みたいな事を考えていた。そんな自分にとって、最後に彼女がふと言っ>>続きを読む
五・七・五の意。そのどれもが物語と混ざり合ってパンチライン。
言葉、それも限られた語数で想いを伝えるって難しい。だけど俳句でだったら、歳時記を読んで、真意を隠して伝えられる。
ラストシーンとラストカッ>>続きを読む
泥棒されたお金を取り返すのは、泥棒でしょうか...
物語も強盗計画も綿密で飽きが来ない!しかしコメディで押し通すのではなかった。彼らには復讐劇で猛威を奮う様な"漢"の風貌があった。
もしかしたら「クソ>>続きを読む
あなたはこの世界を信じるか。あなたはUを疑うか...
現実とU、すずの成長と竜の登場...とストーリーが多すぎて面白さが一本の中に収まりきっていない!でもどちらかの世界だけじゃ物足りない。
その表裏的>>続きを読む
まずは一言。辛すぎる。彼らはそんな境遇を乗り越えて笑っている。
ただのいじめの辛さだけではなくその場所、その時代ならではの境遇の過酷さを捉えて、総じて悲劇としているところに脚本の業を感じる。更にスタイ>>続きを読む
初フランソワ・オゾン。
あの夏出会った"他人行儀のない男"との、たった362万秒の恋。ひしひしと伝わってくるのだ。この映画だけの特別な感覚が。
だが、敢えて「観るべきでない」と強い否定から入るこのサイ>>続きを読む
どうだろうか。この予告詐欺。展開とミスリードを考慮すると否だが、とても芯の強く、恐く、脆い秀作で心の底から感動した。
この映画ではオムニバスのように3つの"鬱"を描いている。一視点を多方面から描き切>>続きを読む
ロードムービーの尺度で観れば長い映画なのかもしれないが、近年水準の高まる韓国アクションとの融合でジャンルレスなエンタメに昇華。
"死の恐怖"と"生の恐怖"の挟み撃ちの中間に立ち、ある種の「搾取する/さ>>続きを読む
サンクスシアター、ラスト1本。
今度は知らない町を自転車で漕ぐ少女。"横浜"と同じ世界線なのかも判らぬまま観ていたが、それはどうでもよかった。
スマホ時代の初期に発表された「読まれることの憂しさ」に>>続きを読む
サンクスシアター、ラスト1本。どうも知ってる町だなと思っていたら、横浜の黄金町だった。
その町にあるシネマ・ジャック&ベティには自分も数回行った事がある。土地勘の弱い僕は地図を見ても何故か遠回りで歩い>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
中国映画の画で魅せるTOKYO。言語感覚も狂い咲き。オールジャンルを網羅する為に必要な136分。怒涛の展開はまるでパレードのよう。否、RPGかもしれない。とにかく観てて快感!エグい程の映像美が、かえっ>>続きを読む
弧を描くように、自然は周る。世界は移り変わる。その中で自分がどう変わるか。或いは、どう変わらないでいるか。
生から死を取り除いたらそれは果たして不変の生命と呼べるのだろうか。時に思い出す"懐かしさ"は>>続きを読む
「いちごの唄」と共に考えると、やはり主人公の間の悪い演技は古舘佑太郎のそもそもの素質だったのではないか。というか、古舘佑太郎って本当に音楽をやっているのだろうか。
桜井ユキや岩谷健司は良いものの、やは>>続きを読む
何者にもなれてなさそうな男と、バンドマンとヤクザと、蜃気楼みたいな"お持ち帰り"。彼らの夏の行く末は、正直寝るほど退屈だった。
まず、1965年という舞台の背景を理解するまでに時間がかかる。そりゃ、当>>続きを読む
愛を終わらせたくて、その選択をしたのではない...
一つのベッドで共に繰り返し朝を迎える二人。死の形ではなく、それまでの生の形を考え直す旅。それでも、温もりはもうすぐで消え去ってしまう。全ての出来事が>>続きを読む
同監督の「5windows」と迷ってこちら。うぅん...選択をミスったみたい。
瀬田なつき監督が13年も前からあんなにヌーヴェルバーグなモノローグ×ショットを撮り続けていたことには驚いた。スカイツリ>>続きを読む
「サマーフィルムにのって」では感じなかったが、伊藤万理華、こんなに魅力的なキャラクターだったとは。冒頭、過去を悪びれずに語っていく無邪気さと、終盤、ちゃんと正論を言える勇気。
そしてその意見がちゃんと>>続きを読む
あの映像の中で行われていることは、今となっては尊い思い出たちを巡ってゆく作業、その中でも"共同作業"のような気がした。
台詞がないしラストも使い古された手法なのだが、こんなにシンプルに感動できるのはな>>続きを読む