KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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インサイド(2023年製作の映画)

1.5

[] 30点

Vasilis Katsoupis長編二作目。美術品強盗のウィレム・デフォーが強盗に失敗してNYのペントハウスに閉じ込められる話。警報機が作動するが警備会社はやって来ず、なぜかガスも水
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ナイン・マンス(1976年製作の映画)

4.5

祝2000本目!

[ハンガリー、自分らしく生きるための孤独な戦い] 90点

大傑作。メーサーロシュ・マールタ長編六作目、初カラー作品。メーサーロシュ・マールタ特集上映配給のライトフィルム様よりご厚
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静かなる一頁(1993年製作の映画)

3.0

[] 60点

アレクサンドル・ソクーロフ長編七作目。『セカンド・サークル』『ストーン / クリミアの亡霊』から続く三部作の三作目。壁に張り付いた階段が地面まで届かずに途中で終わってる近代的な工業ビル
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Agnus Dei(英題)(1971年製作の映画)

3.0

[ハンガリー、混乱の1919年を垣間見る] 60点

ヤンチョー・ミクローシュ長編十作目。河沿いの人気のない農村で、遠くから機銃の音がしている。時は1919年、第一次世界大戦終戦後の混乱期に、短期間に
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Stuff and Dough(英題)(2001年製作の映画)

4.0

[ルーマニア、生活に潜む犯罪の影] 80点

傑作。2001年に発表されたルーマニア・ニューウェーブの開祖的作品。クリスティ・プイウ初長編作品。1990年代後半に製作された本作品は、所謂"親世代"が監
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破壊の自然史(2022年製作の映画)

4.5

[『空襲と文学』と無差別爆撃について] 90点

大傑作。セルゲイ・ロズニツァ通算30作目。W.G.ゼーバルト『空襲と文学』から着想を得たということで、同じくゼーバルト作品に着想を得た『アウステルリッ
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Leila's Brothers(原題)(2022年製作の映画)

4.0

[イラン、家父長制の呪いとサフディ的犯罪ドラマ] 80点

2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。サイード・ルスタイ長編三作目。レイラは40歳になったが、未だに両親と4人の兄弟の世話をしている。氏
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Likely Consequence(英題)(1992年製作の映画)

4.0

[]

エドワード・ヤンによるワンシチュエーション舞台劇。VHSで録画されたものが『牯嶺街少年殺人事件』のCriterion盤に入っていた。360度の舞台だが、3ヵ所から撮影されていてカットも割られて
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Blue Jean(原題)(2022年製作の映画)

4.0

[拒絶と忘却の歴史と現在] 90点

傑作。ジョージア・オークリー初長編作品。1988年、イギリスでは保守党党首マーガレット・サッチャーによってセクション28、悪名高き同性愛嫌悪の法案が制定された。体
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The Girl and the Oak(英題)(1955年製作の映画)

4.5

[クロアチア、水のない死の大地にて] 90点

大傑作。クロアチアを代表する映画監督クレシミル"クレショ"ゴリクの監督二作目。太陽が照りつける絶望的な傾斜の禿山を、重い水樽を背負って歩む黒ずくめの集団
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Sunday at Six(英題)(1966年製作の映画)

5.0

[ルーマニア、日曜六時に会いましょう] 100点

人生ベスト。ルチアン・ピンティリエによる初長編作品。ニューウェーブを感じさせるような鮮やかかつ不気味な冒頭で、じゃれ合う若者たちを窓越しに眺める女は
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世界の終わりから(2023年製作の映画)

3.5

[この世界に救う価値はあるのか] 70点

紀里谷和明監督最新作。新海誠の実写版観てんのかというくらいのセカイ系物語だが、あまりにも直球に絶望的で号泣してしまった。夢と現実、過去と現在が混ざりあって、
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.5

[and Hell followed with him] 70点

シャマラン最新作。山小屋で"世界"と対峙する家族の話。極めて嘘臭い監禁物語が、二つの側面で事実が混ざり合うという、実に『10クローバ
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

2.0

[ある"巨大クジラ"の物語] 40点

2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ダーレン・アロノフスキー長編八作目。メルヴィル『白鯨』に登場する巨大鯨を巨漢になぞらえた映画というとこは題名から
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Libahunt(原題)(1968年製作の映画)

5.0

[エストニア、陽光の煌めきと妖しの森] 100点

人生ベスト。レイダ・ライウス(Leida Laius)監督三作目。アウグスト・キッツベルグの同名戯曲の映画化作品。暗闇の中で月光を反射する水面。墨の
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Smoke Sauna Sisterhood(原題)(2023年製作の映画)

4.0

[サウナで精神を浄化するエストニアの『デカメロン』] 80点

傑作。アナ・ヒンツ(Anna Hints)単独初長編作品。2014年、南エストニアのVõromaa地方のスモークサウナがユネスコ無形文化
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.0

[] 80点

とにかく世界観の作り込みが良い。村からフォージの街までの間に灰色の火山地帯とかあるわけないだろとか、そんなことを全く思わせない。この作り込み具合とそれを煩くない程度に表に出す塩梅の上手
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人生の乞食(1928年製作の映画)

4.5

[] 90点

ルイーズ・ブルックス映画祭。若い浮浪者のジムがある家に押し入ると、玄関に背を向けて座っていた男が実は死んでいて…という開始5秒でフルスロットルな一作。ジムが階段の上に目をやると、そこに
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Szabad lélegzet(原題)(1973年製作の映画)

4.0

[ハンガリー、労働者とブルジョワの越えられない壁] 80点

メーサーロシュ・マールタ長編四作目。初長編『The Girl』から本作品までの四作は、社会と個人の関係性から社会を覗き見る作品群であり、よ
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Other People's Children(英題)(2022年製作の映画)

4.5

["人生は短くて長いんだ"] 90点

大傑作。2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。レベッカ・ズロトヴスキ長編五作目。同じコンペに監督作品が並んだロシュディ・ゼム(エフィラさんの恋人)とフ
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幸せな時はもうすぐやって来る(2016年製作の映画)

2.0

[イタリアの劣化版『トロピカル・マラディ』] 40点

アレッサンドロ・コモディン長編二作目。二人の少年が森の中を走っている。なにかから逃げているようだ。その逃避行はヤン・ニェメツ『夜のダイヤモンド』
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Kunstkamera(原題)(2022年製作の映画)

4.5

[ようこそ、我が"芸術と驚異の工房"へ!] 90点

大傑作!ヤン・シュヴァンクマイエル監督最新作。2018年の『蟲』が引退作と思っていたが、ロックダウン中に本作品を撮り始めたことで遺作は更新となった
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Monica(原題)(2022年製作の映画)

3.0

[モニカの帰郷と静かな和解] 60点

アンドレア・パラオロ長編三作目。主人公モニカは美しい女性で、常に性的な目線に晒されている。彼女と男たちの関係性は、彼女が依存症的関係性に陥っているジミーへの電話
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The Son/息子(2022年製作の映画)

2.5

[ある父と息子の物語] 50点

2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。すっかりオスカーの犬となってしまったヴェネツィアコンペで、恐らくオスカーに向けたキャンペーンのスタートとしてWPとなっ
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A Human Position(原題)(2022年製作の映画)

3.5

[] 70点

アンダース・エンブレム長編二作目。ノルウェーはオーレスンという港町で主人公アスタはジャーナリストとして生活している。なんらかのトラウマを抱えているアスタが暫く振りに仕事に復帰したところ
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北の果てのバラード(1980年製作の映画)

3.0

[] 60点

1980年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。マルック・レヘムスカッリオ(Markku Lehmuskallio)初長編作品。彼は後に配偶者アナスタシア・ラプスイ(Anastasia L
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Violet(原題)(2014年製作の映画)

4.0

[ベルギー、目の前で死んだ親友の不在] 80点

傑作。Bas Devos長編一作目。15歳のイェッセは親友ヨナスと帰宅中、人気のない地下街で二人組の若者に襲われる。彼らが狙ったのはヨナスだけで、何を
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ライク&シェア(2022年製作の映画)

4.0

[] 80点

カミラ・アンディニ『ユニ』のタイトルロールを演じたアラウィンダ・キラナの新作がどうやら好評らしい、と昨年末に知るも、あまりにもローカル映画というのもあってほとんど諦めていたのだが、大阪
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Axiom(原題)(2022年製作の映画)

3.0

[ドイツ、嘘とパクリで構成された人生] 60点

Jöns Jönsson長編二作目。2022年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。主人公ユリウスは友人たちから愛される若き美術館員だ。職場の新
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なのに、千輝くんが甘すぎる。(2023年製作の映画)

4.0

[やはり、千輝くんはイカれてる。] 80点

畑芽育が階段を上りまくる映画。それは、千輝くんの短距離走との対比としての階段上りであり、"雲の上の人"を目指すための階段上り、つまりは片想いのための階段上
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ウジュムリ(1934年製作の映画)

4.0

[] 80点

1934年に発表後に当局から即上映禁止を食らって、長らく散逸したと思われていたが、2018年にモスクワ映画アーカイブから出土し、ジョージア文化省や国立映画センターなどの尽力によって元の
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Boy from Heaven(英題)(2022年製作の映画)

4.0

["国家とアル=アズハルは対立してはならない"] 80点

傑作。2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。北米上映時の題名は『Cairo Conspiracy』らしい。アル=アズハルはファーティマ朝
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できごと(1967年製作の映画)

4.0

[ジャクリーヌ・ササールに狂う男たち] 80点

傑作。1967年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。登場人物全員がジャクリーヌ・ササールを好きすぎる映画(ちなみに、そこにロージー本人も含まれる)。濃密な
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.5

[Everything Happens for a Reason] 90点

大傑作。"映画は忘れられない夢のようなもの"、それが心地よい夢でも悪夢でも等しく襲いかかる。劇場でスピルバーグを観るのは『
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The Day Has Gone(英題)(1968年製作の映画)

4.0

[ハンガリー、ある自立した少女の物語] 80点

傑作。メーサーロシュ・マールタ長編一作目。ハンガリーで初めて女性監督が撮った長編作品らしい。主人公は24歳の工場労働者エルジ。彼女は養子縁組が成立しな
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.0

[] 60点

サム・メンデス監督最新作。A24製作の『The Inspection』と共に、昨年のトロント映画祭でプレミア上映され、そのままオスカーレース爆走を期待されていたが鳴かず飛ばずになっちゃ
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