mikuさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

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THE DEPTHS(2010年製作の映画)

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これはとてつもなくおもしろかった。男娼なんかやって、なんでもない少年だと思ったリュウが、段々と魅力的に見えてきてしまう。そして男たちを軒並み破滅に導く。いわばファムファタールなのかしら。酒場でカルーア>>続きを読む

春の夢(2016年製作の映画)

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目の前に高層ビルの立ち並ぶ都会があって、その道路を挟んだ向かいの町。まるでスラムみたいな小汚い町の、小さな居酒屋に1人の女と3人の男。飲みに行った帰り道をみんなで迎えに行ったり、屋上でみんなでお酒飲ん>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

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とんでも学歴社会な韓国にいて、高卒の女の子たちってこんな目で見られていたんだろうか。無職で貧困に喘いでいても、やりたいことやそれなりの才能はある。コネで企業に就職できても、没頭できる何かはない。男に愛>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

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「顔を知っている人は何人いる?心の中まで知っている人は何人いる?」そんなことを言われて、家族も友人も恋人にも、それぞれの関係性に違和感を感じたりするわけで。自分勝手な友人や、移り気な恋人や、暴力的な父>>続きを読む

すべてが狂ってる(1960年製作の映画)

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戦後、夫を喪って大会社の重役と愛人関係となることで生きてこられた母と子。今に始まったわけでもないのに、それを理解できずに反抗しまくる息子。全然話聞かなくって疲れちゃう。いい大人してわかんないのかよ、と>>続きを読む

恋人のいる時間(1964年製作の映画)

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手を執拗に追ったショットの数々。全然色気のない下着が逆にエロいマーシャメリル。下品な笑い声のレコードと、それをかけるかかけないかの追いかけっこ。何回見ても途中で眠くなっちゃうので、やっと最後まで見られ>>続きを読む

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

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冒頭の店やベランダで煙草を吸うキムミニがなんとも好きだ。なのに、まず突然路上で土下座するあたりがよくわからない。わざわざ不倫相手が追ってくるわけないじゃん、バッカじゃないの?などと冷めた目で見てしまっ>>続きを読む

ガスパール/君と過ごした季節(とき)(1990年製作の映画)

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「名前はジャンヌ、無一文です。よろしく。」こんな無茶な手紙があるかよ。生活力がまるでないのに、かわいそうな人をしょっちゅう拾ってきちゃうロバンソン。なんて無茶な。奇妙な盗みを繰り返すしかないのに、いつ>>続きを読む

出発(1967年製作の映画)

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タートルネックのセーターをずぼっと着るジャンピエールレオーとか、バイクを二人乗りするところなんかとっても好きなんだけどな。ポルシェをどうしても手に入れたくって、ギャンギャン吠える仔犬のようなレオーも好>>続きを読む

私のように美しい娘(1972年製作の映画)

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音消しのカーレースの轟音レコードがおもしろすぎ。ベルナデットラフォンのぐいぐい具合に疲れちゃったら、助手のアンナクライスさんに恋したくなっちゃう。この世で一番しょうもなくて一番エロい裸オーバーオールが>>続きを読む

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

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本の映し出される冒頭でぐさっと心奪われる。ウェスアンダーソンによる、愛すべきズレまくっている人たち。テントのなかで煙草を吸いながらレコードをかけるマーゴが好き。バスルームで夫に隠れて煙草を吸うマーゴも>>続きを読む

台風クラブ(1985年製作の映画)

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台風が来たから観た。中学生の、ちょっとした刺激で爆発しちゃいそうな危うさ。台風が来て、家へ帰れなくなりそうなときの妙な高揚感はわかる。帰れよ、と言ってしまえばそれまでだけど。台風が過ぎ去ったあとのきら>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

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人類初の月面着陸なんてどうだっていい、と言い切れるくらいには音楽って最高だ。フェスを捉えた映像だけではなく、演者や客や周囲の人たちからの話で、ブラックコミュニティに関する時代背景を浮かび上がらせている>>続きを読む

天国の日々(1978年製作の映画)

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マジックアワーの麦畑の景色がまさしく天国のようだった。ブルックアダムズが麦畑に向けて歩きだして、すぐにこちらに振り向くのなんて天使でしかない。なのにそんな世で起きることはいつも地獄。リチャードギアのし>>続きを読む

ヘルムート・ニュートンと12人の女たち(2020年製作の映画)

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彼の写真から溢れ出る不穏さがすごく美しい。これらが女性蔑視だと騒がれることを理解できない訳ではないけど、そんな意見は愚答では。才能にひれ伏すのみ。それなのに、ぼろぼろのパンツやセーターを着て妻とおしゃ>>続きを読む

ショック・ドゥ・フューチャー(2019年製作の映画)

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朝目が覚めて、煙草をふかし、カセットでお気に入りの音楽をかける。時計をして、眼鏡をして、シンセサイザーの前に座る。アイデアはあるのに生み出せないというけれど、CR-78と出会ってクララというボーカル(>>続きを読む

ブロークン・フラワーズ(2005年製作の映画)

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かつてモテまくった男の顛末。それらしい年代の男の子を見るや否や自分の息子なのでは?と疑り続ける姿がなんとも滑稽です。必死で走るビルマーレイも必見です。昔の女たちと会って気まずい時間を過ごしても、決して>>続きを読む

コレクションする女(1967年製作の映画)

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あんな尻軽女などと軽蔑していたくせに、気がつけばアイデに夢中になるバカな男。まして、あいつは俺に気があるぞ?などと勘違い甚だしく振る舞い始まる。本当にみっともない。しかし、あの人はわたしのことが好きか>>続きを読む

ラヴソング(1996年製作の映画)

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子どもの時に連れて行ってもらった、あのころのマクドナルドを思い出した。手紙が印象的な話。好きなうちはいくらでも書きたいことがあるのに、気持ちがなくなっちゃったら何も書けないの。わかる。要するに不倫なん>>続きを読む

ヘカテ デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

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男が恋に溺れて、仕事もしないで灼熱の国でのさばってるの腹立つな。ギャーギャーうるさくて百年の恋も冷めます。しかもさぼり倒したくせに、ちゃっかり昇級できてしまうなんて不条理だわ。この時代はそういう生活に>>続きを読む

八月の鯨(1987年製作の映画)

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8月の最後に観られてよかった。歳を重ねた姉妹2人で暮らす海辺の家。海を眺めるバルコニーで、自慢の真っ白な髪を梳かす2人があまりにも美しくてくらくらしてしまいそうだった。来客があればお化粧をしてお洒落し>>続きを読む

プレイタイム(1967年製作の映画)

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話しかけたい人に全然話しかけられないあの姿は、夢のなかでうまく動けないようで疲れちゃった。そのほかも悪い夢みたいな様子が続くのになんとなくノレなかった。街そのものを作り出しちゃうとんでもエネルギーには>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

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情事のあとにヤツメウナギの話などをする女はなかなかにイカれていて、村上春樹の文章のなかでしか許されない存在だと思った。相手のすべてを知ることはできないし、知らなくていい。愛し続けていてもいいし、先に進>>続きを読む

トータル・バラライカ・ショー(1994年製作の映画)

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カティンカのリズムには誰しも踊ることを逃れられないようだ

ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

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愛しているけど貧乏では生きられない。犬にやった肉を取り戻してスープにしちゃうような生活。俯瞰で見ている分には最高な3人組だけど、あまりの貧しさに時々苦しくなってしまうよ。花も枯れる。愛する人もいなくな>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

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こんな世の中で、今わたしが観たかったのはこれです。映画館の椅子の上でいかに人からバレないように踊るかだけを考えた。音楽って痺れます。エンターテイメントって最高。ありがとうデヴィッドバーン。

親密さ(2012年製作の映画)

5.0

「夜明けが好き。夜も好きだけど、夜明けがあるから好き。大切なものが受け渡されている気がする。」「大切なものってなんですか?」「君といる時間、いない時間。」夜のきっと一番暗い瞬間から、朝日がのぼるまでの>>続きを読む

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

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コーヒーを飲んでから寝ると猛スピードの夢が見られるんだ。煙草の煙がもくもくでどっしり苦めな珈琲を出してくれる喫茶店って好きなんだけど、きっと彼らが飲んでるコーヒーは軽くて薄めで、それはそれで良いもので>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

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わたしのこれまでの人生に交わることのなかった人たちなのに、最後の「まだ始まっちゃいねえよ」には妙に心動かされちゃうんだよな。でも、破滅的な彼らの人生には共感は覚えない。これは女には入ることのできない世>>続きを読む

結婚のすべて(1958年製作の映画)

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愛のないお見合い結婚だなんて蔑む妹に、お見合い結婚夫婦の、不誠実な妻の行動を叱るでもなく嘘を見破って罵るでもなく、受け入れる夫婦の形の美しいさまを見せる。完璧なコメディ。しかし冒頭のセックスの連呼、あ>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

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極楽鳥のお花畑とその花束のシーンがすごい。あんな花束の使い方をわたしはかつて見たことがない。みんなたけしをキレさせないように笑ってるのかなって気づいちゃった。彼が海が好きなこともよくわかった。石田ゆり>>続きを読む

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

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ビートたけしの一言一言がちょっと笑えちゃうの。あとたけしが運転するところ好き。ものすごく獰猛だけど、やりたいことはよくわかる。この当時のこの東京の街に見覚えがあるのにどこだかわからないことを楽しんでし>>続きを読む

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

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スリの手の動きが一種の芸術のようでもあったが、罪悪感の擬人化のような顔した主人公を見ていられなかった。貧困のせいで、感情と選択肢が貧しくなるさまがきつい。罪と罰と言えど、牢屋の中で女性を愛する感情に気>>続きを読む

エヴァの匂い(1962年製作の映画)

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わたしが信じるのはお金だけ、男と歳をとった女が嫌いと言い放つエヴァが最高すぎるのです。人の家の窓を割って不法侵入し、家主が怒っていようともビリーホリデイのレコードにもう一度針を落としに行くエヴァがかわ>>続きを読む

伯林-大都会交響楽(1927年製作の映画)

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電車に乗って到着するベルリンの街。早朝には人なんかいなくて猫や犬だけが歩いている。そのうちに朝が来て人々が起き始める。お店が開いて中心部に人がごった返す。喧嘩するおじさんと、そのまわりに群がる同じ服の>>続きを読む

恋のエチュード(1971年製作の映画)

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「なぜさわるの?」「あなたがこの世に生きてるから」イギリスの海辺の家があまりに美しく、3人でピクニックやテニスをしているさまが眩しかった。お互いがお互いを好きなのに結ばれないっていう心の機微は、身に覚>>続きを読む