Siegwardさんの映画レビュー・感想・評価

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カフカ「変身」(2019年製作の映画)

2.1

フランツ・カフカの『変身』を原作としたB級怪奇映画。


主人公が変身した虫の姿を“普通に”写すと、同名小説の持つ多義的な深みは損なわれてしまう訳だが、本作はそれをやってしまっている為、文芸性の乏しい
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007/ゴールデンアイ(1995年製作の映画)

3.7

どこかアニメ版のルパン三世を彷彿させるボンド映画。コメディ色強め。

何というか全体的に雑で、もっと評点を低くしても良いのだけど、“007が戦車で市街戦を始める”というメチャクチャさが刺さったので加点
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白いリボン(2009年製作の映画)

4.0

『弱い者たちが夕暮れ さらに弱い者をたたく』
―TRAIN-TRAIN, THE BLUE HEARTS

抑圧と暴力、そこから生まれる歪みと犯罪―WWⅠ前の小さな村で巻き起こる様々な事件を通
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犯罪都市(2017年製作の映画)

3.9

ゴッサムシティ並みに治安の悪い街で、マ・ドンソクが刑事として悪党を相手に大暴れするアクション映画。

フィジカルを活かしたパワー型のアクション、味方や敵のキャラ立ちの良さ、所々挟まれるユーモア、エグ味
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男たちの挽歌(1986年製作の映画)

3.9

ジョン・ウーによる有名な香港ノワール映画。カモメっぽい鳥のシーンはあれど、まだ鳩ではない。

古の日本のドラマみたいな音楽の使い方が散見され、映画として明らかに過剰演出な部分はどうかと思うが、それを上
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探偵マリコの生涯で一番悲惨な日(2023年製作の映画)

2.9

舞台演劇を映画化して失敗したような作品。

“内田英治×片山慎三×伊藤沙莉”という座組にそそられたけど、率直に言ってあまり面白くない。コメディをやりたいのか、エグイ話をやりたいのかどっちやねんという中
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メメント(2000年製作の映画)

4.0

「目を閉じてても、そこに世界はあるはずだ」


別に『シュレーディンガーの猫』のような話ではなく、自己の連続性の問題を映像に落とし込んだサスペンス映画。謎解き要素が多いので、ミステリーの方が近いかもし
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

4.0

敏腕記者と天才ハッカーが過去の殺人事件を調査するサスペンス映画。面白いけど、性描写・残虐表現がR18でもいい位にキツイので注意。

リスベットとか云うイカした女が最高。

本作の魅力はルーニー・マーラ
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.8

連続ドラマでやれば“名作”になってたかも。

あらすじは『時間のルールから脱出し、世界を崩壊の危機から救い出す』とかいう中二病系のライトノベルみたいなもの。

いや面白くはあるんだけど、設定の複雑さに
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.7

原作・東野圭吾は話がしっかりしてて面白い。
だがいつも通りテレビ的な編集だし、『容疑者Xの献身』には及ばず。

テーマの一つとしては“私刑の是非”。昨今、私人逮捕や社会的制裁の行き過ぎが問題視されるこ
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次元大介(2023年製作の映画)

3.0

冒頭3分でヤバそうだと思ったが、そのままフィニッシュしてしまった。


本作はルパン三世のスピンオフ作品だが、アニメ版に準拠した設定となっている為、コミカルな表現や義賊的な立ち位置が見受けられる。
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オットーという男(2022年製作の映画)

3.8

偏屈な老人がニューカマーに絆され変わっていく―という展開は『赤毛のアン』然り昔からよくあるものだが、そこに現代的な問題を組み込んでいるのが本作の良いスパイス。

事故が起こっても動画を撮る事に夢中で救
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シャーロック・ホームズ(2009年製作の映画)

3.5

シャーロック・ホームズの設定を使った“普通”の娯楽活劇映画。ミステリ部分の出来がイマイチで、かと言ってアクションが格別に良い訳でもない中途半端な印象の一作。

ベネディクト・カンバーバッチが演じれば現
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セブン(1995年製作の映画)

4.0

「ヘミングウェイ曰く、『この世は素晴らしい。戦う価値がある』と」
「後半部分は賛成だ」


七つの大罪になぞらえた連続殺人とそれを追う刑事たちを描いた衝撃のサスペンス映画。終始陰鬱な展開が続き、画面も
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オーシャンズ11(2001年製作の映画)

4.0

「供養は?」
「奴の女房と寝た」

超一流の悪党どもがラスベガスでド派手に金庫破りをする痛快犯罪映画。

ジョージ・クルーニーをはじめとした豪華スターの共演、テンポの良い展開、小洒落た会話、無駄な説明
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.1

小柄な女性二人によるクールなガンアクションが面白い。ただ低予算故の粗も見られるが、今後への期待を込めて0.4加点。

まず、主演二人が見るからに屈強という訳でもなく、極々平凡な日本人女性っぽいのが良い
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誰も知らない(2004年製作の映画)

3.9

本作のタイトルの意味は、

① 無戸籍ゆえセーフティネットから漏れて“誰も知らない”
② 都会的な無関心から深入りせず
  “誰も知らない”(知ろうとしない)
③ 育児放棄が社会問題として広く認識され
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.9

まるで良質なエッセイを上手く映像化したかのような映画。

特に何も起こらない淡々とした日常が描かれるものの、切り口や着眼点の面白さがあり、クスっとなるようなユーモアや温かさが随所にある。

是枝作品の
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インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年製作の映画)

3.4

往年のシリーズファン向けな一作。但し、ファンに好評な訳でもない。

本作の問題点は自分としては以下の二点。
① 考古学からオカルトに寄り過ぎている
② 高齢インディー(ハリソン・フォード)のアクション
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パイナルファンタジー(2013年製作の映画)

1.1

あ…ありのまま、いま起こった事を話すぜ!

企画モノのアダルトビデオからエロを抜いて全年齢版にしたようなクソ映画だった…

な、何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何を見たのかわからなかった…頭が
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.8

伊坂作品の実写化はハリウッド向きなのだろう。

クソださテロップのような一部演出のイケてなさはあるものの、ド派手なアクション,小気味の良い会話劇,魅力的なキャラクター,複雑な伏線回収といった要素が全て
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プリティ・ウーマン(1990年製作の映画)

4.0

どこか『マイ・フェア・レディ』のような筋書きだなと思ったら、実際それを下敷きに作られたシンデレラストーリーとのこと。

これはキャスティングの勝利。ジュリア・ロバーツのゴージャスな美貌が炸裂しており、
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.5

老人(中年) VS 若者。

表面的にはYoutuberの話だけど、内容としては人間社会の普遍的且つ不変的な問題―“若いもんはけしからん”と“古臭いこと言うヤツうぜー”の世代間対立を軸にしながら、全編
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マッドマックス2(1981年製作の映画)

3.6

北斗の拳の元ネタ。『ブレードランナー』と共に、80年代~90年代のSFやサブカルに大きな影響を与えた画期的作品。

冒頭で明らかなビニール人形の死体が出てきた時に視聴を断念しかけたが、後半盛り返してく
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日日是好日(2018年製作の映画)

3.5

『お茶』って習慣であり日常なんだろうな、と感じる映画。


形から入り一期一会の心構えまで、お茶が生活の一部となった主人公を巡りゆく季節の中で描く。派手さはないものの、わびさびを表現したような画作りの
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コンスタンティン(2005年製作の映画)

3.4

少年誌の中二病バトル漫画っぽいアクション映画。原作はDCらしい。


聖遺物(ロンギヌスの槍),天使と悪魔,悪魔祓い,十字架の形をしたショットガンetc―うーん、厨二心をくすぐるキリスト教系要素満載。
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サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

4.1

「皆が逃げてる! 荷物を人に押し付け合ってる!―それの繰り返しだ」


パッケージとタイトルの印象とは裏腹に、やり場のない怒りやエネルギーの発散とその顛末をほの暗く描いた青春映画。ダンスでフィーバーし
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

2.5

長めのゆるい深夜ドラマ。

“気合いの入ったSFエンタメ映画”と期待していた特撮ファンにこれを見せれば、そりゃ酷評の嵐も免れない。

B級映画というには金が掛かり過ぎてるし、本格的特撮作品というにはあ
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

3.8

「花も実も付かないんだけどねぇ。あんただと思って毎日水やってんのよ」


ダメな中年親父のやるせない日常を、ほんのりユーモアを交えながらあたたかく描いたヒューマンドラマ。色川武夫の短編みたいな味わいが
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パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(2003年製作の映画)

3.6

もっとハマると思ったが、そうでもなかった。
原因は分かり易く、テンポの悪さとアクションのもっさり感。

まず、この話に143分は長すぎる。100分前後にしておくれ。また、アクションがなんだかイマイチ決
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

3.0

地味な話を地味に撮った、NHKドラマっぽい映画。

こういう静かなストーリーほど画作りの良さや会話劇・芝居の巧みさがないと映画として退屈になりがちだけど、そのどちらにも欠けるので中々辛かった。今泉監督
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.6

シェフの逆ギレフルコース。

古今東西、サービス業に従事すると横柄な客に悩まされる事が付きものだけど、本作はそういう人ほど刺さるかもしれない。

結構面白いのだが、物語が展開する前の冒頭30分程度は画
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エクソシスト(1973年製作の映画)

4.0

プーチン大統領が主席エクソシストに任命されるというフェイクニュースじみた事実を受け、昨今にわかに注目を集める職業“エクソシスト”(悪魔祓いをする人)。

主人公の娘に憑いた悪魔を神父たちが祓う話ながら
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

どこかカフカの『変身』みたいな物語で、不条理であり実存主義的な感じ。

高山で牧畜を営む夫婦の羊がある日奇妙な子供を産み、“それ”を二人が自分たちの子として育てていく話。「何故そんなことが起きたのか?
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.7

面白いけど、思ってたより“テレビ映画”だった。

テレビアニメ4話分を一本にしたという印象で、その為映画にしてはテンポ感が悪い。鬼滅も大概だったので、あちらも過去の自分の評点から-0.2~0.3位減ら
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ホーム・アローン2(1992年製作の映画)

4.2

「悪魔みてえなガキだッ!!!」


クリスマスに置いてきぼりとなった主人公がその悪魔的知能で小賢しく大人を翻弄し、最終的に強盗と殺人トラップでバトルするお話。敵はギャグ補正で生きているだけで、普通は何
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