蛇らいさんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

家族を想うとき(2019年製作の映画)

3.8

お金がないということ以上に、就労環境と雇用形態がもたらす心身ともに不健康な状態に心が痛む。それは家族にも伝染し、前向きな考え方さえも搾取されている。

家族のため、子どものために一生懸命に働く。その一
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.4

途中から繁盛したチキン屋のドキュメンタリー観てるみたいな感じになって笑った。
図らずともフランチャイズ化の話が舞い込み、支店を出すのだが、味のクオリティと接客態度の徹底に苦しむ刑事たちの姿が、情けなく
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.3

ワンカット撮影(ワンカット風)を謳っているが、何がそんなに凄いのかという疑問が物語が進む内に、解き明かされてゆく。

野原の上でのお昼寝ファーストカットからの幕開け。これから数分後に死と向かい合うこと
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チャーリーズ・エンジェル フルスロットル(2003年製作の映画)

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ここまでくると、ただの大味な作品ではない奥ゆかしさみたいなものも感じる。

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.9

おそらく本年度のアカデミー賞作品賞にノミネートされた中で、1番バランスの取れている作品だと思われる。バランスが取れているということの良し悪しは別として。

寄生という視点で考えると、弱者の存在によって
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この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

5.0

2016年公開当時、止まらないこの涙は自分の中のどこから出てきたのかと解らなくなるほど、頭が追いつかない感覚に冷静ではいられなかった。

これはとてつもない作品が生まれてしまったのかもしれないと悟った
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バッドボーイズ フォー・ライフ(2020年製作の映画)

3.2

ベルギーの新鋭監督コンビが魅せるシリーズ第3弾。アメリカでは特大ヒットしており、マーベルが早くも彼らと接触しているとか。何にせよ注目の一本。

1作目公開から2作目公開までのインターバルが5年、2作目
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

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アメリカ社会の闇を点在的に紛れ込ませ、皮肉なほどに歯車を噛み合わせる。でもそれって驚くほど簡単に、スムーズに噛み合ってしまうかもよ?

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

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ロケ地選び、全体的なムードとビジュアル、印象的なカット、卓越したエンタメ性、見事です。

「社会派であるより映画派でありたい」という監督の志が感じられる作品です。

マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)

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『パラサイト 半地下の家族』がオスカーを獲得して、「厳しい観客の目が映画業界を育てる」という言葉が話題になっているが、まさにこの作品が次作の『この世界の片隅に』に繋がる正しい評価のされ方をし、良作が育>>続きを読む

ギャングスタ(2018年製作の映画)

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撮影うますぎ。『バッドボーイズ フォー・ライフ』では本作の監督コンビと撮影監督を起用。

冬時間のパリ(2018年製作の映画)

3.1

実体のないアートフォームは崇拝するのに、それらを吸収するために使われる媒体に実体がないと忌み嫌うのって矛盾してないかと思ったり、いや、それはまったく別の話かなど頭を捻らせながら観た。"実体がある"とは>>続きを読む

ラストレター(2020年製作の映画)

3.1

岩井俊二作品が苦手な人の、苦手な理由を煮詰めたような作品。でもそんな企画をやりたがるのが川村元気という人間なので致し方なし。

でもそれを惜しげもなく披露してしまう岩井俊二の創作への信念みたいなものが
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バッドボーイズ2バッド(2003年製作の映画)

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車から振り落とされた死体が、定点のカメラに向かって滑り込んでくるおそらく世界初のはちゃめちゃカットが最高。それ以外も全部最高。

バッドボーイズ(1995年製作の映画)

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脚本はまとまりに欠けるけど、アクションのディテールは神がかってる。

初期のウィル・スミスかっちょいい。

アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)

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オリヴィエ・アサイヤス作品ならではの上質なソワソワを味わえる。

そして何よりクリステン・スチュワートのキャリアハイでございます。全編に渡って彼女の演技が要になるほどの好演。素晴らしい。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.7

やはりこのライアン・ジョンソンという監督、一筋縄ではいかない曲者だ。どうせみんな俺のこと好きでしょ?と様々な変化球を投げ込んでくる。はい、好きです。

正統派なミステリーかあ→違う!こっち方面か!→や
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風の電話(2020年製作の映画)

3.2

モトーラ世理奈は撮りたいと思わせる何かを確実に帯びている。それは『少女邂逅』のとき、すでにふつふつと湧き出していた。

モトーラ演じる主人公のハルは、感情を一切表に出さない。笑うとき、口角は上がるが、
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Love Letter(1995年製作の映画)

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目配せするみたいなカット割、ドキドキする。

キャッツ(2019年製作の映画)

1.6

生理的に受け付けないとか、気持ち悪いビジュアルが話題になっているなどの理由で、半分冷やかし程度に低評価されてるんだろどうせと思っていたが、あながちこのスコアは間違いではない。

酷評の大半は見た目の気
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LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)

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好き。新鮮な感覚だった。タイムスリップしなくとも見える未来があるっていいじゃない?

最後のジェダイにつながるプロダクションデザインもあり。しかしよくこんな奇抜で突拍子もないことするような人にスター・
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.8

ジョジョは愛にまつわる言葉をロージーとエルサから投げかけられる。愛は最強であると。目に見えないものが強いはずがないと疑う。

しかし、肌で温度で受け止めた感覚が言葉や五感を飛び越えてジョジョのすべてを
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リンドグレーン(2018年製作の映画)

3.1

主演の女優が十代から母親になるまでの半生を演じているのだが、話が進むにつれて明らかに経験を積んだことによる演技の変化が見て取れる。歩き方ひとつとっても、はつらつとした若い頃とは違い、粛々と目の前の問題>>続きを読む

サイゴン・クチュール(2017年製作の映画)

2.4

エスニックな作風かと思いきや、展開や音楽がポップで受け入れ易い。

流動的なカメラワークが時代を飄々と乗りこなしているような表現に見えてよい。

エンドロールの親子のダンスが最高でした。

特に語るよ
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.5

序盤から事件が起きるまでのあの短い尺でスマートに、かつユーモアも忘れず主人公の人間性を説明する達者な語り口は流石としか言いようがない。

机の中の不足した備品を足しておくこと、ゴミ箱に捨てられているお
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ワイルドライフ(2018年製作の映画)

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父親がリストラされたことを告げるシーンを皮切りに、ラストの再会のシーンまでの間、家族3人が同じフレームに収まるシーンはない。映るものに全てを語らせる。

息子は修繕を試みる。トイレだって、家族だって。
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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(2014年製作の映画)

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粘って観たけど楽しめなかった。ドラキュラに対する素養がないからなのか?

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.6

今年の映画初めは景気よくこの一本。

映画好きがそれぞれ持っているであろう趣味趣向が、全くもって通用しなくなるほど感覚的でセンセーショナルな作品だった。映画としての位置づけや傾向、批評軸に当てはめよう
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イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり(2019年製作の映画)

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気球という狭い空間でありながら、抑揚のあるカメラワークとそれに呼応するような臨場感のある演技がダイナミズムを生み出していた。

予測のできない天候に翻弄される様は、人生における試練を表しているようにも
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ナイト&デイ(2010年製作の映画)

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キャメロン・ディアスはこの手のファニーな役が本当にうまいなあ。ポール・ダノ好きも集まれ。

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

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やっと観れました。

映画の中に流れる時間が、操作されずワンシーンの中にそっと置かれているような感覚を覚える。間を恐れない。

キッチンにもたれてパイを食べ続けるシーンは、映画を観るという行為の意味が
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